立場変われば言うこと変わる。財務省の見事なまでの二枚舌

二枚舌。ダブルスタンダード。まさにそんな言葉がぴったりと当てはまるのが天下の財務省様でしょう。
2002年、日本国債の格付が下がったときにその2枚舌はいかんなくフル回転したのであります。
(関連記事:財務省が日本国債の安全性にお墨付き!!)
■ 最近の二枚舌
そして、またやらかしたのです。(日常的にやっているとは思いますが・・・)
2019年4月、財務省は財政制度等審議会の資料の中で、政府の赤字を「将来世代へのツケ」と表現しました。
ところがどっこい、同じく財務省が作成した個人向け国債のコマーシャル動画の中で「それは未来への贈り物。個人向け国債」というキャッチコピーで宣伝しているのです。
かたや、国債は将来の子どもたちに借金を残す悪辣な代物。かたや、国債は子孫に貴重な財産を残す手段であるってわけです。
言ってることが矛盾していてどうにもこうにもおかしい。いったいどっちが本音でどっちが本当なのでしょうか?
■ どっちが正しい?
この問題を考えるにあたっては、亡くなられた西部邁先生が生前、東京MXテレビの「西部邁ゼミナール」で語っていたことが思い出されます。
(YouTubeで今でも見られると思いますが、どの回かは不明です。面白いので全部見てみることをおススメします。)
答えは「未来への贈り物」なのです。
ご先祖様が借金して、学校を作ってくれたからこそ勉強することができたし、道を作ってくれたからこそさまざまな場所に行けるのです。
今生きている人が節約しまくって、インフラを使い倒せば、そのインフラはボロボロになってしまいます。次世代の人は再度作りなおして整備しなければなりません。そうしないと円滑かつ効率的な経済運営ができなくなってしまいます。
落ちかけた橋、雨漏りのする校舎、十分な設備のない病院、穴だらけの道路、ひねっても出ない水道・・・。言い出したら切りがありません。
政府の緊縮財政のボロが最近目立つようになってきました。北海道のブラックアウト、千葉の停電など。今後も予算がカットされ、整備を怠ることになれば同じようなことが次々と起こるでしょう。
■ 日経新聞の論調
それにしても最近の日本経済新聞の論調はひどい。消費税は10%はタダの通過点であるかの如し報道が目に余ります。
10月6日の日経新聞。「政務債務膨張の一途」という見出しでピントはずれの記事が掲載されていました。
・政府債務の膨張による財政支出
・債務増加に対する緊張感の欠如
・最近の景気回復局面でも大規模な補正予算を編成
・20年前に約600兆だった国・地方の借金が約1,100兆円となること
・債務増加に対する緊張感の欠如
・最近の景気回復局面でも大規模な補正予算を編成
・20年前に約600兆だった国・地方の借金が約1,100兆円となること
に対するご批判を上から目線で展開しています。
それらを支えたのは将来世代への先送りとなる借金だそうな。政治が安定しているときこそ痛みをともなう政策、改革に取り組むべきなどとしょうもないことを言って締めております。
デフレから脱却できないのに痛みをともなう改革なんてやったらデフレが加速するだけでは?そもそも借金は日本政府や地方自治体のもので国民の借金じゃありません。国民の財産です。
もはや日経新聞までもが財務省のポチと化したか、経済に関する無能さをさらけ出しているかのどちらかか、またはその両方でしょう。もっとまともな報道をしてもらいたいもんです。
【関連記事】
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やはり報道されない新聞の消費税軽減税率
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正しいデフレ対策が行われないからデフレ脱却ができないのは当然

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