日本が陥っている経済的罠「リカーディアン均衡」

とある評論家のブラックユーモア。「心配いりません。今年は来年よりもよい年になります。」
デフレ時にはユーモアではなく事実となりますが・・・。
ところで予定どおり、消費税は10%に増税されました。その舌の根も乾かぬうちにさらなる増税を匂わす発言や報道が相次いでいます。10%はあくまで通過点。35%まで増税が必要だなんていう頭の○かしい人まで現れる始末です。
■ 増税やむなし論が跋扈すると・・・
ここまで来るとあきれはてるばかりですが、多くの日本人がまだまだ増税が必要だと信じていることは間違いないでしょう。
ところで、将来も増税が続くと考えれば人々はどう行動するでしょうか。
せっかく働いても税金で持っていかれてしまって貧乏になるのだから今のうちにお金を少しでも貯めておこうと思う人が多いのではないでしょうか。
目先の需要が足りないので政府が財政支出をして景気を刺激しても、将来の増税への恐怖が民間(企業・個人)を貯蓄へと走らせます。
■ リカーディアン均衡とは・・・
せっかく財政出動して、民間にお金を回しても人々は消費することなく貯蓄に回してしまうため、財政政策の効果が減殺してしまうのです。
このような状態を「リカーディアン均衡」と呼んでいます。リカードの等価定理とも呼ばれています。
今、日本はこのリカーディアン均衡の罠に深くはまって身動きができない状態です。もっとも、財政政策も全くもって不十分なのですからどうしようもありません。リカーディアン均衡はイギリスの有名な経済学者であるデヴィッド・リカードの名前が由来です。
デヴィッド・リカード(1772年~1823年)
自由貿易を擁護する理論を唱えたイギリスの経済学者。各国が比較優位に立つ産品を重点的に輸出することで経済厚生は高まる、とする「比較生産費説」を主張した。スミス、マルクス、ケインズと並ぶ経済学の黎明期の重要人物とされるが、その中でもリカードは特に「近代経済学の創始者」として評価されている。
(出典:Wikipedia)
自由貿易を擁護する理論を唱えたイギリスの経済学者。各国が比較優位に立つ産品を重点的に輸出することで経済厚生は高まる、とする「比較生産費説」を主張した。スミス、マルクス、ケインズと並ぶ経済学の黎明期の重要人物とされるが、その中でもリカードは特に「近代経済学の創始者」として評価されている。
(出典:Wikipedia)
■ 妙な均衡の責任は誰にある?
A級戦犯は誰か?
まずは増税の必要性を煽りまくる財務省や御用学者でしょう。まずはここが発信源なのです。
しかし、発信源があってもそれが広く伝わらなければ人々の心を不安に陥れることはないはずです。そこに登場するのがマスメディア。
財務省や御用学者の言うがままを、さらに面白おかしく大げさにして不安を煽り立てて自らの売上げをアップさせようとするのです。
危機を煽れば、新聞や雑誌も売れるし、テレビの視聴率も稼げるってところなんでしょう。
そして政治家もA級戦犯です。財務官僚のほうが頭がいいのかわかりませんが(たぶんそう)、政治家までもがマスメディアや官僚に洗脳されてしまって危機感がありません。いったいこの国どうなってんの・・・。
■ リカーディアン均衡からの脱出方法
このリカーディアン均衡から脱出する手はあるのでしょうか。
増税不安が消費不況に導いているのですから、それを取り除いてあげればいいだけの話なのです。
減税期待を高め、将来の不安をなるべく無くしてあげる。そして実際に減税すればよいのです。
消費増税から消費減税へ。朝礼暮改でもいいじゃあーりませんか。でも現実的には・・・。今の政治家じゃね・・・。
実現はほとんど不可能でしょう。思考回路のコペルニクス的転回が必要ですが、今の日本はマスコミに毒されて洗脳状態に陥っており、この催眠からは抜け出せそうにありません。そしてがっくりと肩を落とすのであります。
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