中国、インドだけでなく東南アジアでもクルマが売れない

中国では米中貿易戦争の影響でクルマが売れないのは理解できます。また、インドはインド固有の理由もあって、売れる環境にないことがわかっています。
しかし、中国やインドだけでなく、東南アジアでもクルマが売れなくなってきました。それもかなりの落ち込みようなのです・・・。
■ 東南アジアの自動車販売動向
2019年8月、東南アジアの新車売上げは前年同月比で11%も減少しました。今年に入って最大の落ち込みです。
とはいえ一口に東南アジアといってもまだら模様ではあります。
特に落ち込みがひどいのはマレーシア、インドネシア、タイ。比較的好調なのはフィリピン、ベトナムといった国々です。
(個々の国の事情まではよくわかりません。)
特にタイには日本メーカーの工場が数多く進出しています。そして、タイでの日本車のシェアはなんと9割にもおよびます。
タイで作って、周辺諸国へ輸出する、あるいはタイで売るという図式が大きく崩れています。タイでの生産台数は4か月連続の前年割れが続いているのです。
■ なぜ東南アジアも落ち込んだ?
やはりというべきか、当然というべきか、世界経済の減速が東南アジアにも押し寄せているのです。
特に東南アジアは、中国やインドと地理的に近いからその影響を受けやすいといえます。
■ インドに強いスズキの現況
スズキの8月の世界生産はなんと前年同月比27%減!海外生産に限れば32%減と大幅な減少となっています。
株価はこの落ち込みをすでに織り込み済みであり、ここ最近は横ばい状態を保っています。また、株価が落ち着きを保っているのはインド政府の対応への期待の現われでもあります。
インド政府は法人税の実効税率を現在より5%ほど下げて約25%にすると発表しました。
スズキの純利益の半分はインドの子会社、マルチ・スズキが稼ぎ出しています。当然、インドの法人税減税はスズキにとって大きな追い風となるわけです。
スズキのインドでの落ち込みは最悪期を脱しつつあるというのが個人的見解です。スズキの株価もいずれ持ち直すと読みますが、唯一の心配は米中貿易戦争がとめどなく続き、世界経済全体が大不況に陥ることです。
そうなれば上記のシナリオも吹き飛んでしまうでしょう。
各国政府には金融政策、財政政策を織り交ぜて、景気後退のダメージを抑えてもらいたい。そうしないとなんとか均衡を保っている日本株への影響も避けられませんし、Jリートも連れ安になりかねませんから。
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