マーケット・ニュートラル戦略に基づく投資は有望なのか?

コイン



膠着相場が続き、投資家の動きが鈍くなっています。特に個人投資家の動きが鈍くなっており、その存在感が減少しています。

個人投資家の売買シェアは18年ぶりの低水準。要因はいくつかあります。



新興市場の低迷


個人投資家の影響が大きく、値動きも軽い新興市場株の株価が冴えません。スター銘柄不在で、テンバガーどころかダブルバガーとなる株式も珍しくなってきました。

株で夢を買うこともままならない厳しい市場環境です。

GPIFの巨額資金が与える市場への影響


GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は150兆円もの資金を運用する世界最大の機関投資家です。

GPIFはその運用資金が巨額なため、大型株で運用せざるをえません。そして、大型株がちょっと下がれば買い、ちょっと上がれば利食うというスタンスです。

そのため、大型株のボラティリティが低下して、値幅取りを狙う個人投資家から敬遠されています。

日銀によるETFの買い入れの影響


デフレからの脱却を目指す日銀は国債のみならず積極的にETFも買っています。とりわけ買うタイミングは下がったときです。

放っておけば株価が下がり、景気にも悪影響を与えるからです。しかし、これは上記のGPIFの投資行動と似た影響を与えます。

株価の下落を食い止めるため、値幅取りをしにくくします。GPIFとの違いは売りに出さないこと。デフレの克服がままならないなかで、上がったから売るという行動はとりにくいのだと考えられます。

投資家の高齢化の影響


株式を保有しているのは、高齢者が多く、株数ベースで見ればそれは顕著でしょう。なにしろ貯蓄の多くは高齢者に偏在しています。

高齢化が進み、株式保有者もどんどん亡くなっていきます。相続財産である株式は相続されますが、結局売却され現金化されることが多いと推測します。

若い人はそれほど裕福ではないので、現金化して教育資金やら住宅資金に充当せざるを得ないのです。

その結果、日本の株式はどんどん外国人投資家に保有され、売買比率でも海外投資家の存在感は増す一方です。

外国人投資家=短期利益の追求者といった構図が一般的ですから、その圧力から、日本企業は配当性向を上げ、自社株買いをし、研究開発費もカットして、短期利益を追求するというアメリカ型経営になりがちです。

これは長期的には日本企業を衰退させていく可能性大なのです。

積み立て投資拡大の影響


将来の年金不安から、ここ数年、つみたてNISA、イデコ(個人型確定拠出年金)といった制度が創設され、普及が進んでいます。

毎月一定額を積み立てていくため、相場の動きに関係なく、買いが入ることになります。

これにより、株価は支えられ、ボラティリティは低下します。やはり値幅取りを狙う投資家にとってはあまりうれしいことではないのです。

マーケット・ニュートラル戦略とは何か


上にもいかず、下にも振れない相場の中でいったいどんな投資戦略が考えられるのでしょうか。

絶対利益を追求するヘッジファンドなどが多用するマーケット・ニュートラル戦略について考えてみたいと思います。

・マーケット・ニュートラル戦略とは

株価指数に比べ、相対的に上がるか下がるかを考えて投資する戦略です。といってもわかりにくいですね・・・。

例えば、楽天は日経225よりも良いパフォーマンスであると考えたとします。そうであれば、楽天の株を買うとともに、日経225を売るのです。同額で。

楽天が日経225よりも相対的に高いパフォーマンスを上げれば、双方が上がっても下がっても利益を上げることができるわけです。

まだわかりにくい?そう思います。

楽天を100万円買い、日経平均を100万円売る。

楽天が120万円に上がり、日経平均が110万円に上がったとします。

20万円の利益と10万円の損失で差し引き10万円の利益になります。

また、楽天が90万円に下がっても、日経平均が80万円に下がれば・・・。

10万円の損失と20万円の利益でこれまた差し引き10万円の利益になります。


ペア・トレードとは何か


マーケット・ニュートラル戦略と似たトレード手法にペア・トレードがあります。

どこが違うのでしょうか?

マーケット・ニュートラル戦略はあくまでも株価指数(全体と読み替えてほぼ同義)との相対的比較に基づく戦略です。

一方、ペア・トレードは2つの異なる銘柄の相対的比較に基づく投資手法です。

例えば、楽天はソフトバンクよりも高パフォーマンスを上げると考えたなら、楽天買い、ソフトバンク売りを仕掛けるわけです。

もたらす結果はマーケット・ニュートラル戦略と同じですが、比較する対象が異なるというわけです。

これら2つの手法を合わせて、ロング・ショート戦略などと言ったりもします。
(ロングは買い、ショートは売りを表します。)

マーケット・ニュートラル戦略の投資信託のパフォーマンスを検証


以前、マーケット・ニュートラル戦略に基づく投資信託に投資したことがあります。確か、ゴールドマン・サックス投信が運用していたと記憶しています。

そのときは全く成績奮わず・・・。アベノミクス相場のときだったので、買いが圧倒的に有利であり、売り買いを組み合わせれば非効率極まりなく、運用の報酬も高いので、取り残されたといった印象でした。(結局損切りしたような気がします。)

マーケット・ニュートラル戦略で運用している投資信託を探してみると・・・、その存在を発見することすら難しい。

ゴールドマン・サックス投信のファンドは既に償還されていました。人気がなくてお金が集まらなかったのでしょう。

なんとか一つ見つけました。やはり運用資金は乏しい。パフォーマンスも行ったり来たりでどっちつかず。これではコスト負けすることは間違いないでしょう。名誉に関わるのでファンド名等は伏せておきます。

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マーケット・ニュートラルの不振。これはヘッジファンドの運用が不振でその数が減っていることと無関係ではなさそうです。

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