ヘッジファンド、運用成績好調にもかかわらず淘汰が進む

札束



2019年、ヘッジファンドのファンド数が減少し、資金が流出しているといいます。

当然考えられるのは運用成績の悪化。しかし、2019年のヘッジファンドの運用成績は悪くありません。むしろ、8月までで7%高と10年ぶりの好成績なのです。

いったいヘッジファンド業界に何が起きているのでしょうか・・・。



解約急増の理由はやれやれ売り


確かに2019年は好成績を上げているヘッジファンド業界ですが、2018年はどうだったかといえば、運用成績は低迷していました。2018年は平均して5%のマイナス。

しかもヘッジファンドは保有コストが高い。今年に入って好成績を挙げていることから、今のうちに解約しておこうという動きが広がったようです。

ファンドによる成績の違いも業界縮小の理由


ヘッジファンドと一口に言っても、その運用手法や運用担当者の腕によって、その成績は大きく左右されます。

業界平均では利益を上げていても、個々のファンドでは損失が発生しているファンドも当然ながらあります。そういったファンドの見切り売りが進んでいます。

そして、売却資金を新たなヘッジファンドに振り向けようとしても、人気のファンドには資金が集まりすぎて定員オーバー。新規資金の受入を断るファンドも出てきています。

売却資金は新たなヘッジファンドに投資することができなくなり、他の運用へ振り向けられます。これが業界縮小の要因の一つとなっています。

ヘッジファンドへの投資が身近になったことも縮小の要因


ファンドへの投資が身近になれば、業界としてはすそ野が広がり、ファンド数や資金が増えると考えればさにあらず。

公的年金資金などの受入を行い始めたことから、ディスクロージャーの徹底が求められています。

それまでは少数の富裕層からお金を集めて、ある種秘密裏に運用されていたので、情報開示のコストや手間はかかりませんでした。

ところが、社会に認知されるにつれ、厳しいチェックがなされ、それに対するコスト負担や人的負担が増して、本来の目的である資金運用に集中できなくなってしまったのです。

そして、中小ヘッジファンドは淘汰され、巨大ファンドに資金が集約されるという流れができつつあります。

個人的感想


ヘッジファンド。その存在は今ひとつ謎に包まれていましたが、世に広まるにつけ、本来の魅力が失われてしまったという感じがします。

敏腕のファンドマネージャーが独自の手法で絶対利益を追求する。そんなストイックな運用はパッシブ運用の人気が広がるのとは裏腹に今の世の中では存在しにくくなっているのだろうと思います。

参考(ヘッジファンドの主な運用手法)


・ロング・ショート戦略
ヘッジファンドの代表的な運用手法の一つである。売りと買いを組み合わせ、相場の動きに関係なく利益を追求する。例えば、割高なA株を売り、割安なB株を買うといった手法である。

・グローバル・マクロ戦略
世界経済の動向を見極め、あらゆる国、あらゆる金融商品に投資する手法。国際的かつ深い分析能力などあらゆる知見を必要とする。

・イベント・ドリブン戦略
その言葉どおり、なにかしらのイベントを見越して、シナリオを考えて投資する手法。企業の業績発表やM&Aや業務提携などの各種イベントの情報を読み解いて投資していく。


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