ポイント投資が今後のネット証券の勝負を左右する

買い物をすると何気に貯まっていくポイント。そのポイントで投資ができるというのですから魅力があるのは当然でしょう。
もともとゼロから生み出されたようなおまけ。それで投資信託などが買えるのです。
ポイント投資の先駆者
最初に始めたのは楽天証券。楽天スーパーポイントで投資信託が買える。これを初めて聞いたときはびっくりしました。
そして、実際に使ってみました。使い勝手もよいし、すばらしい。
実際にそう思った人が多いのでしょう。直近の口座開設数は業界ナンバーワンのSBI証券を上回ります。
楽天スーパーポイントの威力はすごい。Tポイントに負けてると思っていたら、ファミリーマートでも使えるようになったりして、その存在感は確実に高まっています。
楽天経済圏は少しずつ、しかし着実に勢力を拡大しています。
SBIホールディングスの反撃
SBIHDも黙って見ているわけにはいきません。SBI証券はTポイントを運営しているCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)、要はTSUTAYAと共同で2019年4月、スマホでの投資に特化したSBIネオモバイル証券を立ち上げました。
SBIネオモバイル証券ではTポイントで株式や投資信託が買えます。口座数は9月末で13万強とものすごいスピードで増えています。
ネット証券の口座開設の約1割がSBIネオモバイル証券というのですから衝撃です。既存のネット証券が行き詰まりを見せつつある中、新たなビジネスモデルを構築したといえると思います。
SBI証券の口座開設者が楽天証券に抜かれたのは単に、SBI証券でなく、SBIネオモバイル証券に流れたと考えるのが正解でしょう。
なお、SBI証券でも2019年7月からTポイントを使って投資信託を買えますので、楽天証券とのガチンコ勝負になりそうです。
他のネット証券の動向
カブドットコム証券はau(KDDI)の出資を受け、社名もauカブコム証券になります。auは5,000万人規模の顧客基盤を持ち、auポイントなるものを発行しています。
カブドットコム証券は2019年度内このauポイントを使って、すべてのサービスを利用できるようにする予定です。
楽天スーパーポイントやTポイントに比べるとインパクトには欠けますが、やらないよりはやったほうがよいだろうし、一定の顧客をつかむことはできるでしょう。
マネックス証券はどうでしょうか。マネックス証券のサービスを利用するとマネックスポイントが貯まりますが、これを投資に使うことはできません。
あくまで、株式の手数料に充当したり、他社のポイントや商品に交換したりできる程度で、楽天証券やSBIグループには見劣りします。
また、松井証券はどうでしょうか。こちらも松井証券ポイントなるものを発行しており、投資信託の購入に使うことができます。またさまざまな商品とも交換できます。
しかし、いかんせん松井証券の中でグルグル回っているだけの話。他社との連携による広がりがない点で魅力が欠けているといわざるを得ません。
まとめ
現状ですと、楽天証券、SBIグループの2強とその他大勢という構図がますます鮮明となっていくというのがネット証券業界の未来予想図です。
カブコム証券はまだまだ未知数ですが、マネックス、松井に関してはこのまま手をこまねいているとどんどん先行グループから取り残されていく可能性大です。
今後の新たな展開に期待したいと思います。
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