マイナス金利で低収益にあえぐ銀行は日本だけではなかった!

人類史上でも例を見ないマイナス金利。そして、マイナス金利に悩まされている銀行は日本だけではありませんでした。
ヨーロッパでもマイナス金利が常態化しており、銀行の収益を圧迫しています。利ざやの縮小に加え、新興のフィンテック企業との戦いも始まり、経営環境は厳しくなっています。
このような環境の中、人員削減も進んでおり、例えば、ドイツ銀行は1万8千人もの従業員を削減する予定です。その他の銀行でも人員削減の動きが出てきており、その数は合計で数万人規模にもなろうということです。
ヨーロッパの金利事情
日本化するヨーロッパ。むしろ日本を上回るのかもしれません。ドイツ、オランダでは30年もの国債までもがマイナス金利になっています。
我慢しきれなくなった銀行は各種のサービスで手数料を取るようになっており、日本とやることはほぼ同じです。
ECB(欧州中央銀行)ドラギ総裁退任へ
8年間の任期を終え、11月にECBのドラギ総裁が退任します。ドラギ総裁が取った政策もまた日本銀行とそっくりでした。
大規模な金融緩和で景気を刺激しようとしましたが、笛吹けど踊らず。日本同様、2%の物価上昇目標を達成することはできないままの退任となりそうです。
ドラギ総裁は財政政策があればより早くゴールに辿りつけると述べており、要するに財政政策が足りないということを暗に主張するとともに、その重要性を語っているのだと思います。
これまた日本と同じ構図でびっくりするほどです。
日本よりもがんじがらめのEU諸国
ヨーロッパが置かれた状況は日本よりもむしろ深刻だと思います。
ユーロ加盟国は、マーストリヒト条約なるもので、財政赤字はGDPの3%以下にすること、また政府債務はGDPの60%以下にすることが求められています。
自国の景気が悪化して、景気を刺激しようと財政出動しようとしてもマーストリヒト条約に縛られて、大胆な財政政策を行うことができません。
いったんデフレに陥れば、その出口を目指す政策を取ることが非常に困難です。
その点、日本は自国のみで政策決定できますから、より柔軟な財政政策を取ることができます(やっていませんが・・・)。
日本の銀行の新卒採用事情
それにしても驚かされるのは日本のメガバンクの新卒採用者数です。
3メガバンクの採用者数は4年前に比べ、7割弱減ったのです。7割弱になったのではありません。7割減ったのです。
10人採用していたのが3人になってしまったのですから驚きです。主に減らされたのは女性の一般職です。
銀行窓口の来店者はここ10年で3割以上減少しています。単なる窓口係はもういらないということです。また、単純事務作業はITの進化で無人化されていくのです。
必要とされる人材は、文系から理系へ、まじめな草食系から新たなビジネスを開拓していく肉食系人材に変わってきました。
銀行は今まさに岐路に立たされています。
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