SBIが着実に弱小地方銀行を取り込んでいく

握手



先日、島根銀行に出資すると発表したばかりのSBIホールディングス(8473)が第二弾の地方銀行への出資を発表しました。



SBIによる地方銀行への出資第二弾


次なるお相手は福島銀行。福島銀行は東証一部上場企業とはいえ、預金残高が7,000億円ほどで行員数も500名ちょっとの小ぶりな銀行です。純利益は3億円程度とまったく寂しい限りです。

こういっては失礼ですが、過疎地域で規模も小さいという点で島根銀行とそっくりです。

SBIは11億円の第三者割当増資を引き受け、17.85%の株を保有する筆頭株主になる予定です。

11億円で地銀の筆頭株主になれるのなら、SBIにとっては安いものでしょう。SBIにとっても地方銀行という未知の領域に踏み込んでいくわけですから、石橋を叩きつつ、小さく始めていくということなのだろうと思います。

そして、うまく行けば地方銀行を束ねた第4のメガバンクへ。これがSBIホールディングスの野望だと推測します。

銀行同士の合併、提携の限界


福島銀行の社長は記者会見の席で、銀行同士の提携は規模のメリットがあるが、ビジネスモデルを変えるには限界があると語りました。

まさに言い得て妙。

七三分けの銀行員同士が合併しても、何も新しいものは生まれないでしょう。新しい時代に対応可能な変化が起きるとはとても思えません。

異業種や新勢力と手を組んで、化学反応を起こしたいという狙いだと思います。しかし、どんな化学反応が起こるのかまでは予測はできません。

SBIと福島銀行の今後


福島銀行は2020年1月にもSBIとの共同店舗を開設する模様です。

そこでは、SBIの商品が並べられていくのでしょう。それがまさにSBIの狙いなのですから。

福島銀行にとっては、将来的にSBIをコアとする地銀連合の中で、共同でのシステム開発などによるコスト削減などが期待されるところでしょう。

マイナス金利で困り果てた地方銀行と、規模をますます拡大させたいSBIの思惑が微妙にマッチした協業態勢です。

利ざやが縮小している中、余資運用による有価証券投資は銀行の大きな収益源ですが、その運用をもSBIに委託することを検討するといいますから驚きです。

SBIグループが提供できる金融サービス


SBIホールディングスは持株会社として傘下に50社前後の子会社を抱える金融コングロマリットです。

その中で、地方銀行と協業できそうな会社、地方銀行にサービスを提供できそうな会社を勝手に羅列したのが下記です。

・SBI損害保険(損害保険業)
・SBI生命保険(生命保険業)
・SBIマネープラザ(保険代理店業務・金融商品仲介業・住宅ローンの代理業務・銀行代理業)
・SBIレミット(国際送金事業)
・SBIビジネス・ソリューションズ(バックオフィス支援サービスの提供)
・SBIトレードウィンテック(金融機関向けコンサルティングサービスとシステムソリューションの提供)
・SBI BITS(情報通信機器およびコンピュータソフトウェアの設計、開発、運用、販売、保守管理、監査およびリース業務等)
・SBIリーシングサービス(オペレーティングリース・アレンジメント事業)
・SBIネオファイナンシャルサービシーズ(フィンテックなど新技術の導入支援および関連事業の運営・統括)
・SBIプロセス・イノベーター(RPA・AI-OCR等テクノロジーを活用した業務改善(BPR)、業務受託(BPO)及びコンサルティング)
・SBIアセットマネジメント(投資運用業及び投資助言業)
・モーニングスター(金融商品・ウェブサイトの評価・情報提供およびコンサルティング)
・モーニングスター・アセット・マネジメント(資産運用に関するコンサルティング、金融機関向け運用・投資助言業務)
・SBIギャランティ(家賃滞納保証をはじめとする各種保証業務)
・SBI地方創生アセットマネジメント(投資助言・代理業務、投資運用業務および第二種金融商品取引業務)


すごい数になりました。どんな化学反応が起きるのか?それとも何も起こらないのか?

そして、次なる地方銀行はいったいどこになることやら・・・。楽しみです。

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SBIが苦境の地方銀行と提携して狙っていることは何か?


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