国内初、投信手数料を全面撤廃。フィデリティ証券

ネット証券を中心に投資信託のノーロード化は確実に拡大しています。しかし、今まで全面的に投信の手数料を撤廃する証券会社はありませんでした。
そこに、2019年12から販売手数料を完全にしかも恒久的に廃止する証券会社が現れました。それは外資系のフィデリティ証券です。
フィデリティ証券とは・・・
フィデリティ証券を語る前に、その親会社たるフィデリティ・インターナショナルについて語らねばならないでしょう。
フィデリティ・インターナショナルは、1946年にボストンで創立されたフィデリティ・インベスメンツの国際部門として、1969年に設立されました。
世界25ヵ国に進出し、約7,000名のスタッフを有します。日本には1969年に進出しました。
そして、グループの一員であるフィデリティ証券は、1998年より日本の個人投資家向けに投資信託の販売を開始しました。現在は投資信託のみならず、株式も取り扱っています。
・フィデリティ証券株式会社
・資本金 92億5,750万円(2019年1月23日現在)
・役職員数 145名(2019年3月末現在)
・資本金 92億5,750万円(2019年1月23日現在)
・役職員数 145名(2019年3月末現在)
となっています。(フィデリティ証券ホームページ参照)
ところで、個人的にフィデリティといって思い出されるのは、マゼラン・ファンド。そして、そのマゼラン・ファンドを運用していた辣腕ファンド・マネージャーのピーター・リンチ氏です。
その著書「株で勝つ」は名著であり、成長株投資を志向する投資家には必読の書ともいえるでしょう。
取扱う投資信託は?
フィデリティ証券だからといって、同グループのフィデリティ投信のファンドだけを取り扱っているわけではありません。
また、外資系だけの運用会社を取り扱っているわけでもなく、国内のメジャーな運用会社の投資信託も取り扱っています。
45社の運用会社のファンドを取り扱っており、そのファンド数は約650となっています。これらすべてのファンドの販売手数料がタダになるわけです。ただし、インターネット取引で、運用報告書の電子交付への承諾など一定の条件は満たす必要があります。
販売手数料のみならず信託報酬割引も、そして新たなる収益源
資産残高が3,000万円超であれば(ハードル高っ)、信託報酬も割り引くという力の入れよう。しかし、これでどうやって会社運営していくの?といえば、新たに運用助言手数料の導入を検討しているようです。
具体的には、大口の顧客に対して投資や運用のアドバイスを行う対価として運用助言手数料をもらうというビジネスモデルです。
金融庁の認可を得て、来年中にも投資助言代理業の登録を目指しているとのことです。
この運用助言手数料は、売買をしてもしなくても投資信託を保有している間は一定割合で受け取るのが普通です。どんどん投資信託を乗り換えて販売手数料で稼ぐというビジネスモデルとは一線を画し、顧客と寄り添うということなのでしょう。
顧客と利益が相反しないでお互いにメリットを追求するというわけです。高齢の顧客の資産を転がして儲けてきた日本の証券会社のビジネスモデルは既に崩壊寸前です。
このような動きは今後他の証券会社にも広がっていくものと思いますし、そうなるべきだろうと考える次第です。
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