黒田日銀とデフレ脱却

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黒田日銀が4月9日に再任後初めて記者会見を開きました。前任時同様に、前期比2%上昇の物価上昇目標を継続する考えを強調し、金融緩和の出口戦略はまだまだ検討する局面にないとの考えのようです。

しかし、大胆な金融緩和政策も無理がきかなくなってきているようです。国債市場では日銀の買い入れがひそかに細っているとのことであり、また今後はそれがETFの買いにも起こるのではないかと懸念されています。

ところで黒田日銀総裁が推進した異次元金融緩和による円安進行は、企業の輸出採算が改善し、現在までの景気回復を支えてきました。しかしながら、目標とするデフレ脱却は未だ道半ばです。日銀の物価目標達成時期の先送りは6回に及んでいます。景気が回復しても物価が思うように上昇しないのです。



以下はその要因に関する私の大胆な推測です。

大きなバブルは概ね60年おきに起こるといいます。なぜでしょうか?60年経つとお金を動かす人間がほぼすべて入れ替わります。過去にバブル崩壊で痛手を被った人が60年経つとほぼほぼこの世からいなくなります。

人間は多くの場合、他人の経験からは学ぶことができず、自らの経験のみにより学ぶのが現実です。そして、バブル崩壊を体験していない人間は他人の経験(歴史)から学ぶことができないため、資産の異常な高騰をバブルだと認識することができず、深追いしていきます。深入りすればするほど、その後のバブル崩壊の傷は大きくなってデフレに突入するというわけです。

また小さなバブルは概ね30年おきに起こるといいます。実質的に大きなお金を動かす世代(40代~60代)の人間が30年ごとに入れ替わるからです。それでも、まだ過去の痛手を被った世代もこの世に残っており、バブル発生の危機を経験的に察知し、警告し、ある程度の歯止めとなってくれるので、巨大なバブルは発生しないと考えられます。

話を戻します。人間、デフレに慣れてしまいますとそれから抜け出すことは難しいものです。具体的には、一旦安い値段に慣れてしまうと、少々景気が良くなったからといって、高い値段をポンと出しては買えなくなってしまうのです。

一昔、スーツは1着5万円くらいするというのが当たり前の感覚でした。でも今はどうでしょう。品質にこだわらなければ1着1万円で買えます。景気が少々良くなったからといって、また5万円のスーツに戻そうとは思えないのです。昔は馬鹿らしかったと思えてしまうのです。

ここで、バブルの話と重ねてみます。デフレは1990年半ばくらいから始まりました。それから黒田日銀政策でデフレがある程度収まったと考えられるのが2015年くらいでしょうか。その間、基本的には待てば待つほど安く買える時代が20年続いたわけです。この20年を経験した世代が入れ替わるまでは本格的なインフレにはならないと思います。

ではそれはいったいいつくらいでしょうか。

1990年半ばに消費者となった世代が人生の現役を退くまでは本格的なインフレにならないと考えます。例にとれば1995年に25歳の人が生まれた年は1970年。1970年生まれの人が現役を65歳で退くとしたらそれは1970+65で2035年。

私の勝手な推測ですが本格的にデフレを脱却し、インフレ路線に変化するにはまだ15年以上はかかるのではないかと思います。





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