ついに日本でも口座手数料が取られる時代が到来

ATM



名古屋金利などという言葉を聞いたことがあります。

愛知県は金融激戦区で、金融機関の競争が激しく、その貸出金利が全国平均に比べてかなり低いようです。



やむなく口座手数料の導入へ


名古屋金利の影響かどうかは定かではありませんが、愛知県の某信用金庫が休眠口座に対して手数料負担を求めることにするようです。もっとも、すでにそのような取り組みをしている金融機関は他にもあるようです。

さて、某信金では2020年1月以降に開設された普通預金口座で、その後2年間入出金がなく、残高が1万円未満になると手紙かなにかで注意喚起をし、その後も取引がないと年間1,200円の手数料を課すということです。

休眠口座は相当数におよび、その発生原因としては転職などで給与振込口座が変わって放置された、学生が仕送りを受け取っていた口座が使用されなくなった、などがあるようです。

口座を維持するだけでも年間いくらかのコストがかかるため、そのコストも馬鹿にならないといったところなのでしょう。

もちろん、このような後ろ向きの手数料を収益として当てにしているわけではなく、取引の再開、あるいは口座の不正売買などを防止するといった狙いもあるようです。オレオレ詐欺(死語?)に利用されてはならないということです。

しかし、収益として当てにしないといっても、苦しい経営環境から手数料を徴収することになったのでしょうから、コスト負担を減らす経費削減という意味において、結果的に収益として当てにしているといえなくもありません。

しかし、その効果は今ひとつになりそう


ただし、頭の痛い問題が一つあります。手数料を取るようにするのは、新たに開設された口座のみとなる点です。

なぜか?

それはこの手数料徴収が顧客にとっては不利益変更にあたるため、いちいち一人ひとりの顧客に連絡して了承を得る必要があるからです。既存顧客からの反発も懸念されるところだと思います。

そして結局のところ、依然として休眠口座は増え続けることになります。

その波はメガバンクにも


さて、この手数料。メガバンクにまで広がりつつあります。

某メガバンクでは個人口座がなんと4,000万口座もあり、うち800万口座が実質不稼動口座だというのです。なんとその数2割・・・。もはや管理不能になっているのではないかと推測します。

某メガバンクでは振込手数料の値上げ、通帳の有料化なども検討しており、お金を貸して事業を育てていく本来の銀行の姿は薄れかけ、手数料ビジネスと化しつつあります。

それにしても振込1回の手数料が1,000円って・・・。もはや罰金の域に達していると思います。

そして日本銀行がなぜか懸念を示す


ところでこの口座手数料を懸念しているのが一部の日本銀行関係者。

なぜかといえば、日銀がマイナス金利で銀行の収益環境を悪化させたために、そのしわ寄せが個人に波及したという批判を浴びたくないとかなんとか・・・。

なんという保身めいた懸念でしょうか。お役人体質丸出し。でもだいじょうぶです。日銀は積極的な財政出動をしなかった政府にさらに責任転嫁すればOK牧場なのですから。

まあ、いずれにせよ世界的には口座手数料は当たり前のように取っているようなので、目くじらを立てるようなことでもないのでしょう。

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