迷走気味の東証改革案、方向性固まる

取引所



野村証券による情報漏えいにより、幾分迷走気味であった東京証券取引所の市場改革案の大まかな方向性が固まってきたようです。



金融庁が素案を発表


2019年12月24日、金融庁が東証の市場改革に関する金融審議会の報告書案を公表しました。

2018年10月に東証が発足させた市場改革に関する有識者懇談会の内容が野村証券経由で投資家に漏れてしまい混乱したため、金融庁が議論を引き継ぐ格好となったわけですが、今回その案が世に出たというわけです。

発表した内容は概ねこれまで報道されてきたとおりですが、既に上場している企業に配慮した内容に変わっています。

新市場案のイメージは以下のとおりです。

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金融庁は今回の案をもとに、2022年前半をめどに市場を再編するよう東証に要請するようです。

それぞれの市場の線引きは・・・


さて、現市場(東証1、2部・JASDAQ・マザーズ)は「プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場に集約されていくわけですが、問題となるのはその基準です。

今回発表された案で基準としてにわかに登場してきたのが、「流通時価総額」という概念です。

現状、東証1部は、オーナー保有分や株式持合い分も含めた時価総額を基準としており、その額は250億円となっています。

そして、流通時価総額というのは、市場で出回っており、いつでも売買可能な株の時価総額を表しています。

東証1部は今後、プライム市場となるわけですが、新たに設定されるプライム市場は一定の流動性を持たねばならず、流通時価総額で100億円が基準になる案が示されています。

現在、東証1部に上場している銘柄の取扱い


問題となるのは現在すでに東証1部市場に上場している銘柄の扱いです。

基準が変わったから、「はい、格下げとなります。」ということになると企業の反発は必至です。想像ですが、すでにその反発は相当程度あったのではなかろうかと推測します。

そこで、今回示された案では、新基準をすでに東証1部上場済みの銘柄には適用せず、企業が希望すればすべてプライム市場に移行できます。

いうなればお客さまのご要望にお応えしましたといったところなのでしょう。

そもそもなぜ市場改革が必要なのか


それにしてもなぜ今、市場改革なのでしょうか?

かねて、日本の株式市場は、東証1部に銘柄に集中しており(全体の約6割ほど)、かなり小粒な企業も1部市場に上場しています。

流動性の面から、東証1部にふさわしくない銘柄も多いとの批判が多かったため、今回の改革へ踏み切ったということです。

指数、TOPIXはどうなる?


株価指数としてTOPIX(東証株価指数)は日経平均ほどの知名度、利用度はありませんが、それでも日本で2番めに有名でしょう。

今回の市場改革にあわせ、指数算出の銘柄を時価総額や流動性といった観点から絞り込み、激変を避けつつ、徐々に変革していく方針が示されています。

それにしても、長らく親しんだ「東証1部」「東証2部」といった言葉が消滅してしまうのはなんとも寂しく感じられます。というか、なんでもかんでも横文字にするなって感もあります。

令和の時代に合わせて、株式市場も様変わりしていく気配なのです。


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