ホンダ、いち早く自動運転レベル3へ。しかしその先は試練が・・・

ホンダ(7267)が2020年の夏を目処に「レベル3」の自動運転車を市販する予定です。
レベル3のクルマが日本で市販されるのは日本の自動車メーカーでは初めてとなります。
ホンダが開発中のレベル3、レジェンド
高級セダンというと、国産だとトヨタ、日産のイメージが強かったのですが、ホンダのレジェンドって、まだ存在していたのかとある種びっくりしました。
現行のレジェンドは最低でも720万円(高っ)からで、レベル3の自動運転車となれば、さまざまなセンサー類や安全装置を備えなければならず、コストが高くなるため、販売価格は高級スポーツカーなみの1,000万円クラスになりそうです。
レベル3のクルマにできること
さて、このレベル3のクルマ。いったい何が自動化されるのかといえば、渋滞時の高速道路においては、運転手がクルマを操作することなく、システムで自動運転が可能になります。
自動運転をしている間、ドライバーはスマホを操作したり、テレビを見たりすることができます。ただし、寝ることはできません。
渋滞が解消されると、レベル3の対象外となるためドライバーによる手動運転に切り替わるというわけ。そして、渋滞が解消したことをドライバーに知らせるために警告が発せされます。
ホンダ、レジェンドの場合ですと、警告灯、警告音によって知らせ、それでもドライバーが運転姿勢に入らないとシートベルトが振動する仕組みです。
それでも運転姿勢に入らないと、なんとハザードランプを点滅させて他のクルマに警告を発しながら、路肩に自動停車させるといいます。これって案外すごいです。でも、首都高速などのように路肩がそもそも無い場合はどうなるのかとか疑問が湧いてきます。
また、居眠りを監視するため、ドライバーの様子を監視するカメラが開発されており、居眠りを感知するとなんらかの警告を与える仕組みだと思います。
思いっきり電気ショックでも与えればいいのでしょうか。でも、心臓ペースメーカーが入っていたらヤバイですから蝶野ばりの自動ビンタ装置でもつければよいと思います(笑)。
ちなみにアメリカ、テスラ社が日本で販売しているクルマの自動運転はレベル2です。さらに、ちなみに我が家のクルマの自動運転はレベル0(完全手動)です・・・。
事故発生時における責任の所在の明確化
自動運転だからといって、事故が起こらないとは限りません。現にアメリカでは何人もの人が自動運転車にひき殺されています。
そこで、政府は自動運転に関する責任の所在を明確化するための法整備を進めてきました。
具体的には、自動運転機能を機動させた時刻を記録を義務化し、6か月の記録保存義務も課しています。また、認められた条件外では自動運転が起動しない機能、居眠り監視機能の搭載も義務付けています。
それにしても、家族が事故にあった場合、自動運転のシステム不具合で片付けられたら、その恨みつらみをどこにぶつけてよいものか、複雑な心境ではあります。
完全自動運転のハードルは異様に高い
さて、この自動運転。着実にレベルを上げてきて、ついにレベル3が目前のところにまできました。
今後の完全自動運転も順調に進めばよいのですが・・・。そのハードルは今までのハードルよりも極度に高いといわざるを得ません。
まずはセキュリティの問題です。
自動運転車には外部のネットワークとの連携が不可欠です。そこにはパソコンやスマホ同様、乗っ取りなどのセキュリティリスクがあります。
現状、完全に安全なセキュリティシステムなど存在せず、常にハッカーやクラッカーなどとのいたちごっこ。これが完璧に解決できるとは思えません。ある程度、ネットワーク上のリスクを許容したうえで運用するしかないとは思いますが、どの辺で妥協点とするのかが問題となります。
さらに、あらゆる環境に対応できるかという問題です。
識者(だれか忘れました)が言っていたことですが、例えば横断歩道に人が立っていた場合、その人が横断歩道を渡ろうとしているのか、ただ単に立っているだけかを判断するのはコンピューターには非常に難しいのです。
安全のためには、当然渡るものと判断し、横断歩道の手前でクルマはストップするはずですが、歩行車がいつまでも渡らない場合、クルマはストップしたままです。そして、あらゆるところで渋滞が発生してしまうのです。
その点、コミュニケーションという点で人間の能力はすばらしい。微妙なアイコンタクトやジェスチャーなどでお互いにコミュニケーションを取り、的確な判断を下すことができます。
人間は記憶力や計算力で、コンピュータにかないませんが、コミュニケーション能力は格段に上回っており、その能力は計り知れません。
というわけで、完全自動運転の実用化には越えなければならない高いハードルがいくつもあり、早々の実現は難しいと考えざるを得ません。
参考までに保険会社のチューリッヒはレベル4の実現は2020年代の後半になるのではと予想しています。完全自動化には少なくともあと10年以上はかかるというのが、個人的見解です。
時間がかかっても人間の英知があれば、いずれは可能になることも間違いはありませんが。
【参考】自動運転のレベル定義
自動運転といっても、すべてをひとくくりにすることはできません。レベル1からレベル5までの段階に分かれており、もちろん最終目標は完全自動運転なのですが・・・。
(レベル1)
ハンドル操作や加減速など、いずれかを運転動作をサポートするシステムを備えたクルマです。
走行中に危険を察知すると自動ブレーキを発動したり、走行中の車線からはみ出してしまった際のステアリング操作などを単独で行う事が可能です。現在販売されている車の多くはレベル1の基準をクリアしています。
(レベル2)
一定の車間距離を維持し、車線からはみ出さないようにしたり、渋滞時に走行車線を維持しながら先行車の後を追随するなど、ハンドル操作・加減速などの複数の運転動作と安全技術が連携して運転をサポートします。レベル2をクリアしているクルマは、すでに多くの自動車メーカーから販売されています。
(レベル3)
高速道路など特定の走行場所で、クルマに搭載されている各センターから送られる情報を判断し、自動運転することで可能です。
ただし、悪天候だったり・見通しが悪いといった場合、また緊急時や自動運転システムがうまく機能しない時には、ドライバーが手動運転する必要があります。
(レベル4)
特定の場所であれば緊急時であっても気象条件等が整っていれば、運転に関わる全ての動作をクルマが行います。
(レベル5)
運転は完全に自動化されます。あらゆる条件下でクルマが状況判断し、全ての運転動作を行います。
ハンドル操作や加減速など、いずれかを運転動作をサポートするシステムを備えたクルマです。
走行中に危険を察知すると自動ブレーキを発動したり、走行中の車線からはみ出してしまった際のステアリング操作などを単独で行う事が可能です。現在販売されている車の多くはレベル1の基準をクリアしています。
(レベル2)
一定の車間距離を維持し、車線からはみ出さないようにしたり、渋滞時に走行車線を維持しながら先行車の後を追随するなど、ハンドル操作・加減速などの複数の運転動作と安全技術が連携して運転をサポートします。レベル2をクリアしているクルマは、すでに多くの自動車メーカーから販売されています。
(レベル3)
高速道路など特定の走行場所で、クルマに搭載されている各センターから送られる情報を判断し、自動運転することで可能です。
ただし、悪天候だったり・見通しが悪いといった場合、また緊急時や自動運転システムがうまく機能しない時には、ドライバーが手動運転する必要があります。
(レベル4)
特定の場所であれば緊急時であっても気象条件等が整っていれば、運転に関わる全ての動作をクルマが行います。
(レベル5)
運転は完全に自動化されます。あらゆる条件下でクルマが状況判断し、全ての運転動作を行います。
【関連記事】
グーグルが自動運転市場の主役になりつつある
AI(人工知能)の考察(その2)朝生まとめ
AI(人工知能)の考察(その1)朝生まとめ

にほんブログ村
![]() | 自動運転「戦場」ルポ ウーバー、グーグル、日本勢ークルマの近未来 (朝日新書) [ 冷泉彰彦 ] 価格:869円 |

![]() | 価格:1,760円 |

- 関連記事
-
-
メルセデスの基幹部品が中国製!?自動車業界下剋上 2021/11/24
-
早くも5G後の覇権競争がスタート(ポスト5G) 2019/04/06
-
5Gの仇は6Gで取る。日米VS中国のガチンコ勝負 2021/09/24
-
中国の割り切り電気自動車(EV)。日本の自動車業界は相対的に存在感を無くす 2021/12/24
-
朗報!楽天モバイルがNECのアンテナで5Gの世界へ 2019/06/10
-
コメント