同一労働同一賃金で派遣切りが始まるかもしれない

雲



2020年3月以降、派遣切りが増える可能性があります。また、派遣社員の雇用が減る可能性があります。

なぜなら、2020年4月からの同一労働同一賃金の導入にともなって、派遣先企業が払う派遣料金が1割から2割上がりそうだからです。

派遣会社が派遣先企業にその負担を押し付けようとしているのです。



人材派遣に関する法改正


2018年6月に成立した働き方関連法案。時間外労働に関する法改正のほかにも賃金に関する法改正も含まれています。

それは同一労働同一賃金です。なにやら、胡散臭い香りもプンプンするのは気のせいでしょうか。

同一労働同一賃金は正社員と派遣社員、パートタイマーなど非正規社員との間の不合理な待遇差別を解消することを目的としています。

同一労働同一賃金の導入に向け、労働者派遣法やパートタイム・有期雇用労働法の改正が行われ、2020年4月から施行されます。
(中小企業については1年遅れでの施行となります。)

派遣社員の待遇整備の方針


同一労働同一賃金の観点において、派遣先が変わるとそのたびに賃金が変わって、所得が不安定となるリスクがあります。

そのような事態を避けるために、労働者派遣法は以下の3点が改正されました。

1.不合理な待遇差をなくすための規定の整備
2.派遣労働者の待遇に関する説明義務の強化
3.裁判外紛争解決手続(行政ADR)の規定の整備


不合理な待遇差をなくすための規定の整備


改正後の労働者派遣法では2つの方式で派遣社員の待遇が維持、確保するよう義務付けました。

1.派遣先均等・均衡方式
2.派遣元労使協定方式

1は、派遣先の通常の労働者の待遇と均衡を図る方式であり、2は、派遣元の使用者と派遣労働者の過半数とが賃金の決定方法など一定の要件を満たす労使協定を締結する方式です。

派遣先均等・均衡方式と労使協定方式


(派遣先均等・均衡方式)
職務内容(業務内容と責任の程度)が同じ場合には差別をなくし、待遇の差をなくす方式です。

(労使協定方式)
派遣元の使用者、要は派遣会社と派遣労働者から成る労働組合員の過半数または代表者の過半数が労使協定を締結します。

労使協定に定める事項としては
・賃金決定方法(同種の業務の人の平均的賃金以上であることが必要)
・職務内容などを公正に評価して賃金を決定すること
・賃金以外の待遇決定方法
・教育訓練の実施
・有効期間

などがあります。協定は書面で締結しなければならず(当たり前)、協定に必要事項の定めがない場合や、あっても守られていない場合等は、労使協定方式は適用されず、派遣先均等・均衡方式が適用されます。

派遣労働者の待遇に関する説明義務


派遣元は、派遣社員の雇入れ時・派遣時に労働条件に関することや派遣先均等・均衡方式または労使協定方式により不合理な待遇をしないことなどについて説明義務があります。

個人的見解


そもそも、同一労働同一賃金って・・・。業務内容が同じであれば同じ賃金っていっても、個々人により真面目に仕事する人とそうでない人がいます。

それを同じ賃金にしたらあかんだろって思います。真面目に働く人が馬鹿を見るような制度は不条理極まりない。朱に交われば赤くなるという言葉もあります。

まあ、真面目に働く人は出世する可能性が高いので、責任は重くなるものの賃金は上がるから救われる場合が多いことは確かでしょう。

にしても、出世するまでの間は同一賃金?アホらしくてやってられないと考える人も出てくるのではないでしょうか。

それ以前に人材派遣そのものに嫌悪感を感じざるを得ません。以下は1990年以降の正規・非正規雇用者数の推移です。

20200111haken.jpg
(社会実情データ図録)

注目したいのはピンクのライン

デフレとともに見事なまでの右肩上がり。派遣社員は見事なまでに利用され、不安定雇用が増加し、結果的にデフレスパイラルが加速してしまいました。「人件費の変動費化」などともっともらしい上から目線の言葉でそれが正当化されたのです。

人を売り物にして、上前をはねるようなやくざ稼業は違法にしてもらいたいもんです。要らなくなったら、「はい、さよなら」では人身売買とほぼ同義です。もっと言えば、現代版奴隷制度といえなくもありません。

そして、和を尊ぶ日本の文化には馴染まない雇用形態に思えてならないのであります。

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