ネットストーカー「クッキー」によるターゲット広告からの追跡逃れ

デジタル



クッキー(Cookie)(※)を活用したインターネットの閲覧履歴を利用したターゲット広告の市場が峠を下り始めそうな気配です。

(※)クッキー(Cookie)
Webサイトを訪れたユーザー情報を一時的に保存する仕組み。Webサイトにアクセスした際、ユーザー情報をブラウザに一時保存し、同じユーザーが再アクセスした時、クッキーによりサーバー側で同一ユーザーであることが識別される



効率的、しかし不気味なターゲット広告


インターネットで自分が興味を持つサイトを閲覧した後に、それに関連した広告がやたらと出てくるという経験はほとんどの人が持っているのではないでしょうか。

これはクッキーを利用して、その人が興味を持っていることを探りあて、それに合った広告を出す、いわゆる「ターゲット広告」です。これは広告主にとって極めて効率がいい。

クッキーを利用しなければ、いわば目隠しをして銃を撃つようなもので、その精度は著しく低下し、広告の効率が悪くなります。

ターゲット広告ならば、もともとその分野に興味がある人が見てくれるので広告をクリックしてくれる可能性も高いし、見てくれるだけでも印象に残りやすくなります。

しかし、ネット利用者からすればなにやらプライバシーを覗かれているようで不気味だという印象もあります。まるでストーカーに付きまとわれているかのように、広告が付きまとってくるのですから。

ターゲット広告の市場規模


ターゲット広告はインターネットの普及とともに右肩上がりに増え続け、今やその市場規模は全世界で10兆円ともいわれています。これは、全世界のテレビ市場に匹敵する超巨大市場なのです。

そして、ターゲット広告がネット広告に占める割合は約7割。実にネットに配信される広告の半数以上はターゲット広告なのです。

付きまとわれているという印象が強くなるのもうなづけます。

ターゲット広告の潮目に変調が・・・


しかし、ここに来てターゲット広告の潮目が一気に変わりつつあります。

きっかけは大手IT企業が、クッキーの情報を利用される個人が知らない間に他の企業と共有するなど、個人情報の取扱いについて問題が相次いで発覚したからです。

ヨーロッパでは、企業が広告会社などとクッキーのデータをやり取りする際は個人の同意取り付けを義務付けるなど厳しい対応を打ち出しています。

これは世界的な潮流であり、流れが止まることはなさそうな気配です。

日本でネット広告大手企業をいえばサイバーエージェント(4751)です。規模の拡大とともに事業は多角化していますが、事業の半分はネット広告事業です。

以下は最近の株価推移です。ここ1~2年株価は冴えず、日経平均を大きく下回る低パフォーマンスです。

202001134751.jpg

ターゲット広告が株価低迷の要因かどうかははっきりしませんが、潮の流れが変わったことは間違いないでしょう。

新たなるネット広告手法の出現


ストーカーにでも付きまとわれているかのごとき印象を与えるクッキーを利用したターゲット広告の代わって登場してきたのが、AIを利用したネット広告です。

新手法ではクッキーを利用することなく、AIがネット利用者の見ている画面や言葉を解析し、それに合った広告を出すという手法です。

ターゲットを絞りこむという観点は同じなのですが、クッキーという個人データを利用しないところが大きな違いです。付きまとわれることがないというわけです。

そして、精度も高く、クッキーを利用したターゲット広告よりもクリック率が高いといいます。

精度も高く、イメージも良いとなれば、今後はクッキーを利用しない手法が主流になっていくのは間違いありません。

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