日本が石油輸入の大半を中東に依存する理由

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日本は資源小国であることはご存じのとおりです。石油は実に99%を輸入に依存しており、中でも中東アジア諸国への依存度が非常に高くなっています。

それにしても、産油国は世界中に散らばっているのに日本の石油輸入は中東からばかりなのでしょうか?



日本の石油は中東にほぼ依存


日本の石油は約85%が中東からの輸入なのです。

そして、中東といえば常に政治的に不安定というイメージであり、昨今は特にひどくなってきています。

ホルムズ海峡などタンカーが必ず通らなくてはならない海路を封鎖されてしまえば、日本に届く石油は1割程度になってしまい、工業生産のみならず、通常の生活も維持することが難しくなります。

石油価格も暴騰するでしょうし、日本人の生活事態が成り立たない。そんな脆弱な基盤のうえに日本は乗っかっているのです。

さて、それではなぜ中東にそこまで依存しなければならないのか?という疑問は普段からぼんやりと持っていたのですが、経済産業省の官僚である、藤和彦さんの言を聞いてその謎が解けたのであります。

答えは日本の石油精製設備にあり


藤氏の言によれば、日本の石油会社の精製設備はアラビア石油が作った設備を基としているそうです。そして、この設備が非常に優れているのです。

なにしろ中東の石油は硫黄分が多く、重質で石油としては質が悪いということです。その悪質な石油を精製して、良質な製品とするだけの技術を日本は持っているということです。

しかし、この優秀な設備が他地域からの石油輸入を困難にしているのですから皮肉です。

他地域からの輸入が困難な理由


シェール革命でアメリカはいまや世界一の産油国となりました。また、ロシアも世界的な産油国の一つです。日本はアメリカやロシアからも石油を輸入することは物理的には可能です。

しかし、ロシアの石油は質が高い。そして、アメリカに至ってはさらに品質が良すぎる。

質が高いものは当然値段が高くなります。そして、日本の石油精製設備はロシアやアメリカの石油にはオーバースペックなのです。

質が高いとはいえ、精製はしなければならず、精製コストは変わらないとなれば・・・。

品質の悪い石油でも処理できる設備を持っていながら品質の良くて値段が高い石油を輸入することはコスト高となってしまい、経営上、成り立たないのです。

その点、中東の石油は品質は悪いが割安なので、経営上のメリットがあるというわけです。なんともいえない皮肉が日本の石油輸入の中東依存度を高めています。

世界各国のエネルギー事情


日本の中東への石油依存度は世界的に見て異様な高さです。

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(経済産業省ホームページより)

ヨーロッパはかねてから中東依存度が高いことを危険視しており、50年以上前から敵対していた旧ソ連からパイプラインで石油を輸入してきました。

日本と似た状況に置かれているのは中国や韓国です。

中国も産油国ではありますが、経済成長により、石油の3分の2は海外依存です。そして、石油依存度は下げるために原子力発電所を100基以上作る計画のようです。

自然エネルギーに期待はできるか


さて、環境保護の観点から注力してきた自然エネルギー。その今後はどうなのでしょうか。

日本は国土の制約上、自然エネルギーでの発電には恵まれない環境です。太陽光発電といっても、日照時間が短くて効率が悪いのが実状です。

風力発電も安定性に欠けており、とても主力エネルギーにはなりえないでしょう。

地熱発電がもっとも有望のようですが、環境保護など社会的な課題からその開発も進んでいないのが現状です。

個人的見解


エネルギー安全保障という観点からは、やはり原子力発電の再稼働を進めていかざるを得ないのではないかという印象を受けます。

後は、スペックを落とした石油精製設備を導入して、ロシアやアメリカからの石油輸入の比率も高めて、中東依存度を下げる必要があると思います。

それにしても優れた技術が弱みにもなりうるというのが、理論どおりにはいかない経営の難しさを感じさせるのであります。

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