グーグル、個人情報の保護へ大きく舵を切る

サーバー



最近とみにGAFAなどの巨大IT企業による個人情報の取扱いに対し、風当たりが強くなっています。

このままでは政府からの規制がますます厳しくなると思ったのでしょう。やられる前にやれ、とばかりにグーグルは個人情報の取扱いに関し、その保護を打ち出してきました。



ブラウザによるクッキーの取扱の変更


グーグルは、自らが提供しているWEB閲覧ソフト(ブラウザ)、「クローム」でクッキーによる閲覧履歴データの外部提供を段階的に取り止める方針です。

現在はクロームを利用したユーザーがネット閲覧した場合、どのサイトを訪れたかがわかるように、クッキーという現実社会でいえばいわばICタグのようなものが付けられてしまい、そのデータが外部業者に提供されるというわけです。

ただ、クッキーによって個人が特定されるわけではありません。誰かわからないけど、例えばAというユーザーはこういったWEBサイトを訪れているんだという情報がわかるわけです。

個人が特定されないといっても、なにやら自分の興味に合った広告ばかりが表示されるので不気味に思う人が多いのではないでしょうか。

ブラウザのシェア


以下は、ネット界隈で調べた世界のブラウザシェアと日本におけるシェアを表しています。

世界
20200118wo.jpg

日本
20200118ja.jpg

クロームは世界で6割のシェアを占めており、日本でも過半を占めている世界トップのWEBブラウザであることがわかります。

それにしても未だ日本ではインターネットエクスプローラーのシェアが高いのが特徴的です。

パソコンの買い替えが進んでいないのが要因だと思われます。こんなところにもデフレ要因が潜んでいるのだと改めて考えさせられます。

クッキーに代わる代替策は?


さて、クッキーによって的を絞った広告を配信できていたのですが、クッキーを使用できないとなると、やみくもに広告を配信することになるのでしょうか。

若者に入歯洗浄剤の宣伝を出しても意味ないし、禿げたおじいちゃんに、シャンプーの宣伝出しても意味ありません。下手な鉄砲数うちゃ当たる式の確度の低い広告では企業も二の足を踏むでしょう。

この点、グーグル自身は何の痛手も被りません。なにしろ強力な検索サイトを持っていて、ユーザーがそこへ勝手に自分の興味のある言葉を打ち込んでくれるので、それに合った広告を出せばいいだけの話です。

問題は今までクッキーの提供を受けて活用していた広告配信会社です。こちらはAIを使って、ユーザーが見ているサイトを分析し、それに見合った広告を出す技術が開発されているようです。

そして、その精度はかなりのもので、クッキー利用時よりも確度が高くなっているとか。

となると今まで同様、ユーザーにとって何か不気味な印象は残りますが、クッキーによる尾行はされていないということになります。

まとめ


今回のクロームのクッキー利用自主規制。政府に忖度したのは間違いありません。

すでにアップルが提供するブラウザ、サファリは対応済であり、グーグルも遅れをとるわけにはいかなかったのでしょう。

それ以外のブラウザについても対応が迫られることになると思います。そうでなければユーザーから敬遠されることで存在が否定されることになりますから。

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