2019年10~12月期のGDP速報は年率6.3%減。過去の増税時は?

世界経済の雲行きが怪しくなってきていたにもかかわらず、多くの人々の反対を押し切って進めた消費増税の悪影響がやはり出てきました。
しかし、客観的に見て過去3回の消費増税(導入時を含む)時の影響と比べてどうなのでしょうか。過去との比較感から今回の増税の影響度合いを検証してみたいと思います。
1989年4月~6月期(消費税導入時)
明確な数値を探せばあるのでしょうが、内閣府のホームぺージに視覚的に理解しやすいグラフがありましたので、拝借させていただきました。
1989年4月1日に消費税が日本に導入されることとなりました(3%)。株価は1989年末をピークに下がり続け、バブル崩壊、そしてやがてデフレの闇に突入する、ある種記念すべき年です。

(出所:内閣府)※一部加工
1989年4月~6月期は目視ですが、-1.3%ほどでしょうか。年率換算すれば-5.2%となります。いったん下がったものの、翌四半期にはV字回復しているのが特徴的です。
1997年4月~6月期(3%→5%)
デフレの引き金を引いたとされる消費増税が、時の橋本政権により1997年に行われました(3%→5%)。

(出所:内閣府)※一部加工
おおよそ-1.1%、年率換算で-4.4%程度でしょうか。翌四半期の戻りは力強さに欠けるとはいえ、一応プラス成長に戻ってはいます。しかし、その後の金融危機の影響で1998年、1999年は悲惨な年となりました。
2014年4月~6月期(5%→8%)
安倍政権、最初の消費増税が2014年4月に行われました(5%→8%)。

(出所:内閣府)※一部加工
おおよそ-1.9%。年率換算で-7.6%とかなりひどい落ち込みとなりました。特に個人消費の落ち込みがひどい。さらに翌四半期もマイナスを続け、消費増税に対する耐性がなくなってきていることがわかります。
2019年10月~12月期(8%→10%)
直近(2019年10月)に行われた安倍政権2度目の消費増税の影響です。速報ベースでは2019年10月~12月のGDPは-1.6%、年率換算で-6.3%と報道されています。
過去3回のケースを見れば特に今回が異常に落ち込んでいるとはいえません。しかし、問題なのは2020年1月~3月期がどうなるかです。
過去のトレンドを見ると回復力はだんだんと衰えている感じであり、さらに今回は新型肺炎による影響が読み切れません。
下手をすると2019年10月~12月期を超える落ち込みとなることも十分に考えられます。なにしろ中国関連の企業活動がかなりストップしていますから。
安倍首相にとっては弱り目に祟り目。政権支持率もかなり落ち込み、とても選挙どころではなくなりました。なにしろ、安倍首相のコアな支持者が安倍首相に愛想を尽かしそっぽを向きはじめ、失望感が蔓延しています。
この分だと憲法改正などとてもできそうもなく、ひたすらレームダック化してあと1年半が過ぎることはほぼ間違いなさそうです。
202X年X月~X月期(10%→15%)
日本沈没
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