ホテル型Jリート下落の一因は変動型の賃料

ベッド



ただでさえ、日韓関係の悪化による訪日客の減少でホテル宿泊客が減少してしたところに新型肺炎による影響で中国からの旅行者の減少、そして国内での出張の減少による国内客の減少とトリプルデメリットに苦しめられているのが現状のホテル業界です。

当然その影響で、ホテルの賃料に依存するホテル型Jリートの値段も下落しています。

しかし、その下落にはホテル型Jリートが受け取る賃料の設定方法による特殊性があるのです。



ホテル型Jリートの賃料の特殊性


オフィスや倉庫などに入るテナントが支払う賃料は通常固定金額です。入居しているテナントが儲かろうが儲からまいが、一定額の賃料を払わなければなりません。

これに対し、ホテル型Jリートがホテルから受け取る賃料はその一部が変動型であるのが一般的なのです。

一定の固定額と、利益に応じて支払われる賃料という2階建ての構造になっているのです。

一定の利益を超えた場合、その金額の8割とかが変動型の賃料として支払われます。ホテル側が得られる利益が一定の取り分を超えたら、そこからはJリートがほとんどを受け取るという仕組みです。

ホテルの収益は季節性が高く、また天候や気温によって左右されます。カレンダーの祝日の並びなどにも大きな影響を受けるでしょう。

そのため、なるべく固定費となる部分を減らし、儲からなければ賃料は安く済むようにしているのだと推測します。

変動型賃料が占める割合


ホテルの収益力は常に変化していきますので一概に言うことはできませんが、ホテル型Jリートでは、変動型賃料が占める比率は概ね3割から4割程度となっています。

今月(2020年2月)の稼働率は相当低くなることは間違いないですし、新型肺炎の影響がどこまで続くかは不透明です。

となると、ホテル型Jリートの収益が3割から4割程度減ることは念頭に置いておかねばなりません。

あるホテル型Jリートの物件稼働率は2020年1月は前年比で約2%減。2月はさらに悪化することはほぼ確実です。

投資家の動向とホテル型Jリートの価格


超低金利政策により、Jリートは収益悪化に苦しむ銀行の魅力的な投資先となっています。

しかし、そこはサラリーマン投資家。このような混乱の中であえてホテル型Jリートを買い向かうはずもありません。

3月決算を控え、含み損を抱えたくないというのが金融機関の本音です。ただでさえ苦しいのにこれ以上悪い決算を出したくないからです。

となると少なくとも2020年3月期末までは軟調が続くのではないかというのが個人的予想です。逆張りでリスクが取れるのであれば、3月末までに仕込んでおくというのも一考です。

投資は自己責任で!

(参考)ホテル型Jリート一覧


ジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)
インヴィンシブル投資法人(8963)
星野リゾート・リート投資法人(3287)
いちごホテルリート投資法人(3463)
大江戸温泉リート投資法人(3472)
森トラスト・ホテルリート投資法人(3478)


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