儲かったときだけ報酬を。投資家と命運をともにする投資信託登場

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新型肺炎の影響が急激に株式市場に激震を起こしております。

今後の収束の目途もたたず、さらに拡大する恐れがあり、東京オリンピックの開催も危ぶまれてまいりました。



現下の株式市場の動向


時事通信で、習近平氏の国賓来日を控える中国より、あまり騒ぎ立てないでくれとの要請があったとの報道がなされたとのことです。

その要請に忖度して、中国人の入国を一部の地域に限定するなどしたためにこのパンデミック騒動が起きているとするならば、中国の責任はもちろんのこと、日本政府(安倍政権)の責任はまさに重大といわざるをえません。

ただでさえ、消費税を多数の反対を押し切って進め、そのうえで新型肺炎の対処失敗となれば弱り目に祟り目。

東京オリンピックが中止になれば、当てにしていた観光収入も得られず、今年のGDPはマイナス成長になる可能性が高くなってきました。

不思議な株高もアメリカ株の暴落とともにメッキが剥げ、いったいどこで底をついてくれるのか恐怖におののいているのが株式市場の実態です。

投資家と利害が一致する投資信託が登場予定


さて、昨今ようやく市民権を得つつある投資信託ですが、株価が暴落して投資家が損をしても信託報酬は約束どおり、おかまいなく投資家から徴収するのが当たり前でした。

言い方は悪いですが、投資家が損しようと関係ないのです。(もっともそんな投信にはいずれお金が集まらなくなるのはわかりきっていますが。)

しかし、2020年4月から農林中金バリューインベストメンツが販売する投資信託は投資家の利益と運用会社の利害が一致する面白い仕組みを導入します。

投資信託の基準価額が最高値を更新したときだけ運用会社が運用報酬を受け取るというのです。

新たな投資信託の報酬体系


個人向けの投資信託でこのような仕組みを取り入れるのは今回が初めてということです。運用会社と投資家の利益相反(正確には相反というより無関係)が見事に回避でき、投資家に寄り添った運用を目指すというわけです。

新たに設定される投資信託は国際株式を運用対象とするアクティブ型で基準価額が最高値を更新した場合のみ価格上昇分の10%を運用会社が受け取るという仕組みです。

たとえ基準価額が上昇しても、最高値を更新しなければ報酬を受け取らないというのが味噌です。

運用担当者は常に最高値更新を目指して、上手な運用をしようというインセンティブが働くというわけなのです。

残念ながら、損をしても信託報酬は完全に無料というわけではありません。なぜなら、信託報酬は一定比率で、販売会社と信託財産を管理する信託銀行などにも配分されるからです。

しかし、その比率はわずか0.3%とアクティブ型の投資信託としてはかなりの低水準に抑えています。

さらなる期待と要望


今後はさらに販売会社にもこの仕組みを導入してもらいたい。なにしろ販売責任というものがあるし、顧客との利害が一致するという点で顧客からの信頼を得やすいからです。

投資家としては、自分が損しているのに、販売会社はのうのうと信託報酬の一部をもらっていると想像すれば腹が立ってこようというものです。

ヘッジファンドなどはファンド運用会社の自己資金も投入したりして、顧客から利益相反の疑念を払拭しています。

それはそうでしょう。儲かると思って運用するのですから、自己資金を投入するのはある種当たり前なのです。資金がなければ仕方がありませんが・・・。

新たな仕組みを導入する同ファンド。楽天証券とSBI証券で販売される予定だとのことです。

積立型として取扱いを開始するようで、もちろん購入時にかかる手数料はありません(ノーロード)。今のご時世で投資信託の購入時に手数料を払うのはもはや時代遅れであり、よほど有益なアドバイスなり、サービスなりが付加されていなければ搾取といっても過言ではないでしょう。

時代は大きく変わりつつあります。そして、投資家にとっては少しずつ環境は良くなってきていると感じます。

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