日本におけるM&Aの動向やいかに

日本ではバブル崩壊後、2000年くらいからM&Aが急増しており、株価の動きに左右されながらもトレンドとしては右肩上がりで増加しています。
M&Aが増えている要因
これにはいくつかの要因があるかと思います。
・IT革命により経営スピードが重視されたことにより、新たに事業立ち上げるよりも他社をお金で買うことにより時間を短縮したいというニーズ。ソフトバンクや楽天、今は無きライブドアなどが代表的です。
・バブル崩壊後の不景気により経営が悪化してやむを得ず、他社に買収してもらい生き延びるというニーズ。
・経営者が高齢化し、後継者不在のため、事業を承継するために同業他社に買収してもらうケース。
などが考えられます。
かつてM&Aといえば会社乗っ取りという悪のイメージがありましたが、今となっては隔世の感があります。友好的M&Aにより廃業を避けられ、雇用も守られるといったメリットが社会に浸透してきています。
しかしながら、M&A事業はマグロ漁業と同じで、案件探し、相手探しには相当の忍耐力や行動力が必要とされることでしょう。結婚相談所と同じような感じでしょうか。
また非常に高度なノウハウが必要であるとともに、業務や交渉にはお金はもちろん、人間関係のバランスも取らねばならず、気を使うことが多くて手間がかかり、労働時間も長いのだろうなと想像します。
M&A仲介業界の状況
しかし、その分賃金水準はかなり高いものがあります。
日本M&Aセンター(2127)の平均年収は1,418万円。M&Aキャピタルパートナーズ(6080)にいたっては2,994万円となっております。すごい。
業績も株価もここ数年はうなぎのぼりです。このような環境ですから案件探しにもそんなに苦労はないのかもしれません。
ところで日経新聞によれば、昨今M&Aによる買収価格が高騰してきているそうです。とりわけAIなど成長が期待されるIT分野での高額買収が目立っているとのこと。
M&Aの助言ランキング(2017年度)では世界一はゴールドマン・サックスで案件価格は約100兆円に上っています。助言件数は396件で1件あたりにすると約2,500億円になります。
日本では野村ホールディングスがトップで約7兆円弱。助言件数は108件で、1件あたり600億円強になります。いずれにせよ大型のM&Aに関わっていることがわかります。
一方で、日本M&Aセンターは、助言ではなく仲介が主な案件だと考えられますが、合併件数267組。案件価格は推定2,000億円ほどで、1件あたり7億円くらいになるのではと推測します。中小中堅企業に特化した事業を展開しているので、大手とはマーケットが重複せずに高成長が続いているようです。
いずれにせよ、M&Aの広がりは社会を活性化することとなるので、今後とも大いに成長が期待されますし、社会的価値も大きいのでがんばっていただきたいものです。
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