2020年1月の失業率、有効求人倍率は悪化したのか?

労働



2019年10月の消費増税により、2019年10~12月期のGDPは年率換算で6.3%減少しました。

想定の範囲内であったかどうかはともかく、かなりの落ち込みがあったことは事実です。



失業率と有効求人倍率が表すもの


ところで、失業率や有効求人倍率などの労働統計は株価の遅行指標とみなすことができます。

1989年12月をピークに株式バブルは崩壊していくわけですが、失業率が上昇に転じるのは1992年となっています。有効求人倍率もまたしかり。やはり1992年に下落に転じました。

有効求人倍率の落ち込みは振り返ってみると恐ろしいものがあります。

1992年 1.08
1993年 0.76
1994年 0.64
1995年 0.63
1996年 0.70
1997年 0.72
1998年 0.53
1999年 0.48

1倍を回復したのは実に2006年。しかし、その後のリーマンショックで再びトンネルに入ります。

再度1倍を回復したのは2014年。

ちなみに2018年は、1.61倍とかなりの売り手市場になっています。これは景気が良くなったというより、団塊世代の大量リタイアによる労働力不足によるところが大きいというのが実態です。

2020年1月の失業率


さて、景気に赤信号が灯りはじめた2019年後半の影響は2020年1月の労働市場にどのような影響を与えているのでしょうか。

まずは失業率です。

20200301situgyou.jpg
(出所:総務省)

2019年12月に比べて0.2%上昇し、2.4%へと悪化しています。消費増税による売上落ち込みが徐々に影響を与えてきていると推測します。

2020年1月の有効求人倍率


では有効求人倍率はどうでしょうか。

20200301kyuujin.jpg
(出所:厚生労働省)

2019年12月に比べ0.08倍減少し、1.49倍へと悪化しています。

売上が増えないのですから、求人が減るのは容易に想像できることです。

2020年1~3月の動静について


新型コロナ肺炎による巣ごもり消費の影響で、2020年1~3月期のGDPも悲惨な結果となることは間違いないでしょう。

労働市場が景気や株価の遅行指標であることを考慮すれば、今後、労働市場の悪化は避けられません。そしてとりわけ厳しくなるのは中高年です。

ただでさえ、若手の有能社員を確保するために黒字リストラが増加しつつある中、景気が悪化すれば、転職もままならず、また会社自体が倒産するリスクもあります。

2019年の自殺者数


最後に自殺者数についても調べてみました。

2019年は2018年よりも自殺者数が881人減り、2万人を割り込みました。これは1978年に統計を取り始めてから最少ということで、安倍政権の数少ない功績の一つであろうと思います。

しかし、この分だと2020年は再び増加に転じる可能性が高いと言わざるを得ません。

ちなみに下の表は年ごとに自殺者数の推移(1990年~2018年)を示しています。

20190604dehure.jpg

赤の網掛けは3万人以上の年を示しており、黄色の網掛けは前年よりもGDPデフレーター(※)がマイナス(デフレ化)となったことを示しています。

デフレと自殺者数に大きな相関があることは火を見るよりも明らかなのです。

未だ、日本はデフレから脱却できていません。むしろ最近の政策はデフレ回帰を目指したものとなっているものばかりです。早く方向を転換してもらいたいと切に願うばかりです。

(※)GDPデフレーター
物価の変動を表す物価指数で、名目GDPを実質GDPで割ったもの。GDPデフレーターの増加率がプラスならインフレーション、マイナスならデフレーションと考えれれる。GDPデフレーターで調整することで、物価変動の影響を受けない実質GDPがわかる。


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