もはや安倍首相による憲法改正は不可能であろう

桜



安倍首相の任期は2021年9月までであり、あと約1年半を残すのみとなりました。

安倍首相の悲願の一つは憲法改正であったことは間違いありません。が、しかし・・・。



憲法改正は蜃気楼のように遠のいていく


ただでさえ、残された時間が少なくなってきていたせいか、改正の内容もどんどんトーンダウン。

肝心の9条改正案も加憲なる考え方をどこからともなく取り入れて、第3項に自衛隊を明記するという中途半端で玉虫色の内容となっています。

根本からの改正はすっかりあきらめムードであり、解釈会見によるなし崩し的対応が今後も継続するのかと思うとうんざりしてしまいます。

こんな中途半端な妥協の産物を取り入れるくらいなのですから、安倍首相は最初から何の哲学も思想も持ち合わせていなかったと思わざるを得ません。器ではなかったのです。

しかし、思想的に軽薄であることが多くの国民に受け入れられたのでしょう。なぜなら多くの国民もまた軽薄だからです。私もその一人であることを認めざるをえません。

憲法改正不可能への最後のトドメ


そこへ最後のトドメを差したのが「新型コロナウィルス」。

2020年1月からの通常国会で憲法改正への最後のあがきをしようとしていたところに新型肺炎が襲い掛かりました。

悲しいことに改憲の手続きを定める国民投票法の改正案すら成立していないありさまなのにです。

憲法改正を打ち出してきたのは2018年の通常国会以来であり、妥協の産物とはいえ最後のチャンスにかけていたのですが・・・。

そして、今国会で国民投票法の改正案の成立を目指していましたが、今やそれどころではなくなってしまいました。

安倍首相に残された国会


安倍首相の任期が切れるまでに開かれる国会は今国会を終えるとあと2回のみとなります。

今国会では憲法改正のための道筋をつけるため政府提出法案を最低限に絞り込んできたのに、水疱と化しました。

それにしても今まで7年間いったい何をしていたのでしょうか。

拉致被害者は一人として帰ることなく、北方領土問題はむしろ後退してロシアからもはや北方領土と呼ぶなと言われてしまう体たらく・・・。

尖閣諸島への公務員常駐を公約に掲げたものの、アメリカに脅された途端に腰砕けて未だ実行されず、中国に領海侵犯を繰り返されるという屈辱です。

延期になったとはいえ、いまだに習近平国家主席を国賓で呼ぼうとしているのですから、庶民にはその思考回路が理解できません。

その一方で消費増税だけは2回もしっかりと行い、国民の所得を確実に減少させるというご立派な行動派なのです。

安倍首相への失望が広がる


それでも悪夢の民主党政権よりは相当マシではありますが、安倍首相は国民の大きな期待を裏切り続けているのもまた事実です。

当然、安倍首相の支持率も急低下しており、最近は目も虚ろ状態。こんな状況では選挙に打って出ても議席を減らすことは間違いなく、憲法改正はますます遠のくことは間違いありません。

あと2回の国会のみですから野党は全力で憲法改正を阻止してくるでしょう。そしてその反発を跳ね返すだけの力はすでに安倍首相には残されていません。この際、潔く辞任してもらったほうがよいかもしれません。

かといって、安倍首相ができなかった憲法改正を他の政治家にできるとも思えず、日本はアメリカの属国状態がひたすら継続することとなると思うと失望の念を禁じ得ないのであります。

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