税金は取れるところから取る。相続対策の賃貸経営にもメスが

政府(財務省)はよほどプライマリーバランスの黒字化にこだわっていると思われます。
プライマリーバランス黒字化の時期
2025年度の黒字化が不可能との見通しから2027年度にその目標達成は時期が延ばされることとなりました。
これ以上の延長が我慢ならないというのが財務省の考えなのだろうことは容易に推測できようというものです。
プライマリーバランス黒字化は無意味
しかし、現代貨幣理論(MMT)によれば、政府債務残高のGDP比率はなんら意味を持つものではありません。
下記のグラフを見ればそれは明らかなのです。

(出所:新世紀のビッグブラザーへ(三橋貴明氏ブログ))
政府債務残高(国民の借金ではない)はどんどん増えており、それが本当に危機なのであれば、日本国債を買う人がいなくなり、金利は暴騰するはずです。
しかし、実際は金利は下がるばかり。日本国債は人気の金融商品なのです。
それにしても働き方改革による残業代の減少、消費増税、そして今回の新型コロナウィルスによる経済への影響は計り知れません。
税収がダウンしたとしても、景気を浮揚させて経済環境を好転させねばならぬのに日本国政府にはその意思はまったくといっていいほど感じられないのです。
なにしろ首相自らが景気は緩やかに回復しているなどという的外れの頓珍漢を言うくらいなのですから推して知るべきなのです。
税金は取れるところから取るという策のまい進
最近では相続税対策として富裕層に浸透していた節税策が否認されてしまう例が出てきています。
その中身はこうです。
更地の相続価値は高く、そこに賃貸マンションなどを建設すると土地の相続税評価額が下がるのが一般的です。
入居者が存在することで、土地の利用が制限されることから、土地の評価額を一定程度下げてくれるので、結果的に相続財産額が減少するのです。
この仕組みを利用して、金融機関からお金を借りて賃貸マンションを建設し、相続税対策とするケースは世の中に広く浸透していた方策です。
ところが最近、税務署が土地の評価減を認めないケースが多くなってきています。
とりわけ否認されるケースが多いのは80歳代などの高齢者の駆け込み的な節税対策です。
対策を取ったあと、すぐに亡くなってしまった場合などでは賃貸収入による不動産経営が目的ではなく、単なる節税対策であると見なされて、土地の評価減が否認されてしまうような事案が目立つようです。
まとめ
それにしても税務所(財務省)はよほど焦っているのでしょう。
このままではプライマリーバランス黒字化は永遠に不可能になるのではないのかと・・・。
しかし、それでOKなのです。でも財務省は〇〇なせいかそんなことにも気が付かず、取れるところからふんだくろうと必死の抵抗を見せているのです。
考えてみればわかることです。そんなことをすれば、不動産を建てるというインセンティブも働かなくなり、世の中から仕事がますます減ってデフレ化し、結局のところ税収はダウンしていくのです。
優秀な有名大学を出ても、腐った組織に入ればその優秀な頭脳は間違った目的のために利用されてしまいます。
そして、優秀なだけに間違った方向へばく進するスピードも速く、やっかい至極なのです。
財務省のコッパ役人どもはもっと世間一般庶民の暮らしや心理を勉強したほうが良いと切に思うのでした。
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