中小証券は今後IFAへの転身が進むであろう

ドミノ



投資信託の購入手数料無料化が加速しているのは周知のとおりです。手数料のみならず信託報酬をもゼロにする投資信託まで登場する勢いです。

また株式売買委託手数料の無料化も進んでおり、早晩、ネット取引では現物取引においても無料化が広がっていくものと思われます。



行き詰る従来型の証券会社


手数料無料化が進むと困るのは対面型の証券会社です。

なにしろ収益のほとんどを手数料収入に依存しているからです。この傾向は中小の証券会社になるほど顕著です。

中小証券は一昔前まで、自らの資金で売買するディーリング業務での収益も柱の一つでしたが、コンピュータによる高速取引に駆逐され、収益を見込めなくなってしまいました。

そして、最後の砦である手数料ビジネスまでもが崩壊寸前なのですから、その危機感たるや想像を絶するものでしょう。

日本には約8万人の証券営業マンがいるといいます。彼ら彼女らはどこに活路を見出せばよいのでしょうか。

一筋の活路、IFAビジネス


一つの答えはIFAビジネスです。

IFAとはIndependent Financial Advisorの略語であり、特定の金融機関に属すことなく、中立的な立場から顧客に資産運用のアドバイスを行います。

実務上、金融商品仲介業者として金融庁の登録を受け、顧客に投資アドバイスや相談を行い、その注文を証券会社などに仲介することで手数料を得るというビジネスモデルです。

保険の代理店となったり、銀行代理店として住宅ローンを販売を行ったりもします。その際にはいちいち保険の代理店や銀行代理店の登録を別々に行う必要があります。

そのような不便を是正するために新たに創設されるのが「金融サービス仲介業」ということになるかと思います。当局も今後の展開を先読みしているものと思われます。

IFAへ転身した証券会社


先例はあります。

複雑な仕組み債の販売で行政処分を受けた金沢の竹松証券は、証券業務の一部を他の証券会社へ営業譲渡し、竹松投資アドバイザー株式会社として再出発を果たしました。

証券会社として営業していくと口座管理などで多額の負担がかかるところ、IFAであれば他の金融機関に顧客の取引を仲介するだけであり、コストが少なくて済みます。

また、名古屋の株式会社だいとく投資ビレッジも同様です。もともとは大徳証券という中小証券でしたが、IFAとなり金融商品仲介業者として、証券のみならず保険や住宅ローンなどの販売も行っています。

顧客が高齢化して若い顧客が増えない中、IFAに転身してからは顧客層に広がりが見え始めたということです。顧客と真に寄り添うサービス、アドバイスを貫けるからではないかと推測します。

感想


今のご時世、あらゆる情報がインターネットを介して入ってきます。本音と建前との矛盾があるビジネスモデルなど、若くて敏感な人たちはすぐに違和感を持ちますし、近寄ろうとはしないでしょう。

働いている人とて同じです。顧客とともに歩めなどと言われつつ、片や手数料ノルマに追われるのでは自己矛盾に陥ってしまい頭を悩ますことになります。当然に退職者も多くなります。

これからの世の中は本物でなくては生き残れない。そして、中小証券の活路は本音と建前の二枚舌をなくすことができるIFAにしか生き残りのチャンスは見いだせないだろうと思います。

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