コロナウィルスの影響によるホテル系とオフィス系Jリートの今後

株価の下がりがきつくなっています。その株安に連れ、Jリートの下げもひどいことになっています。
Jリート、下げの原因
現在、世界のマネーがリスクオフへと流れており、特段Jリートだけが売られているわけでもありません。しかし、売られていることもまた事実です。その要因にはさまざまなものが考えられます。
株式の信用取引の担保にJリートが入っていたりすれば、やむなくJリートを手放す必要に迫られますし、株の損をJリートの含み益で埋めるといった動きが加速しているものと思います。
また、日銀は景気への影響がより大きい株価を支えるためにETFを主に買っていますが、いかんせんJリートにまで資金が回りません。
おかげで株安とともにJリート安が連鎖して起きているような状況です。
ホテル系の下げがとりわけひどい
Jリートの中でもとりわけ下げがきついのはホテル系のJリートです。いうまでもなく新型コロナウィルスによる影響で人の移動が制限され、ホテルへの宿泊需要が極端に減少しているからです。
さらに特殊要因としてはホテルがJリートに支払う賃料の形態が他の業態とは違うことです。
固定型と変動型の賃料がミックスされており、景気の浮き沈みの影響はJリート側がかなりの程度で負う仕組みとなっています。
もちろん、景気が良くなれば予想以上にJリート側に賃料が入ってくることになるわけですが、現在のような状況ではその逆になるわけです。
このあたりの詳細については以下の記事をご覧ください。
【関連記事】
ホテル型Jリート下落の一因は変動型の賃料
以下は代表的なホテル型リートのチャートです。かなり急激な下げが見て取れます。
ジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)

インヴィンシブル投資法人(8963)

Jリートの代表格、オフィス系はどうか?
さて、Jリートでもっともポピュラーなのがオフィス型です。
オフィス需要はここ数年、大変旺盛であり、新規供給をも簡単に飲み込んで、賃料は緩やかながら5年以上も上昇を続けてきました。
その結果、NAV倍率(株のPBRに相当するもの)はかなり割高となっています。言い換えれば下げ余地が大きくなっているということです。
しかし、ここに来て防疫対策としてのテレワークの拡大、企業業績悪化による新規契約の減少と賃料値下げ交渉の拡大が今後のオフィス系Jリートに対する逆風となることは間違いありません。
今後の動向を勝手に予想
ホテル系とオフィス系、どちらも大きな懸念を抱えていますが、短期的に厳しいのはホテル系です。
賃料の減少が顕著に表れ、予想分配金が下がる可能性が非常に高い。オフィスはそこまで極端な賃料の減少は起こらないでしょう。
しかし、その分リバウンドはホテル系に分があると思います。突っ込みが激しい分、戻りも大きくなる可能性が高いと考えます。それに比べるとオフィス系はじりじりと下がっていき、戻りも鈍くなる可能性が高いと思います。
大きなリスクを取れるのであれば、ホテル系Jリートの突っ込みを逆張るというのも一考ではなかろうかと思います。
投資は自己責任で!
【関連記事】
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