デフレでの給与減少が中高年層を直撃している

砂漠



デフレの継続、相次ぐ消費増税、社会保障負担の増加、働き方改革による残業代の減少と庶民の給料を下げる圧力は増すばかりです。

そして、そのトドメともいえるのが今般の新型コロナウィルスによる経済への影響です。



日本人の実質賃金と実質消費


以下は2015年を100とした日本人の実質賃金の推移を表しています。

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(出所:新世紀のビッグブラザーへ(三橋貴明氏ブログ))

また、以下は2015年を100とした日本人の実質消費指数を示しています。

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(出所:新世紀のビッグブラザーへ(三橋貴明氏ブログ))

見事なまでの右肩下がりのシンクロです。消費は所得に左右されるのですから当たり前っていえばそれまでですが。

賃金減少の煽りを食らっているのは・・・


実質賃金が右肩下がりとなっている中で特にその煽りを受けているのは40歳代から50歳代の中高年層です。

2000年における55歳の給与の中央値は約62万円でしたが、2018年には約53万円にまで下落しました。また顕著な特徴として、給料が高い層と低い層の格差が大きくなっていることです。

2000年には上位10%めと下位10%めの給与の差額は約39万円でしたが、2018年は約47万円にまで拡大しています。端的にいえば100人の人がいるとして給与の高い順に並んだとき、10位の人と90位の人との差が47万円にもなるということです。

年間ではありません。月あたりです。この格差は貧富の差として社会に分断をもたらしていくものと思います。

若者の動向はどうか?


若者はといえば、25歳をとると2000年の給与の中央値は約23万円。2018年は約24万円とわずかながら増加しています。

もともと給与水準が低かったということもありますが、世代間格差は少なくなりつつあります。

格差も中高年に比べると段違いに低い。しかし、歳を重ねていけば、その格差がワニの口のように広がっていくことは容易に想像できます。

管理職は狭き門に・・・


また近年の特徴としては管理職になれない中高年が増えたことです。2000年には大卒男性で50歳代の人は半数以上が課長以上に昇進しましたが、2018年は44%にとどまっています。

大卒の社員が多くなったものの、それに比例してポストの数は増えませんからこれまた当たり前の事象ともいえます。

今後もこの傾向は続くと思われ、給与格差拡大の主因でもあります。

時代の変化が速すぎるのも要因


時代の変化という要因も大きな要素を占めています。

あまりにITの進化が早く、中高年社員はそれについていけず、IT難民となるケースもあります。当然社内では使い物にならなくなってしまいます。

そのため、昨今行われているのが黒字リストラです。

会社は黒字だけれども、今のうちにお荷物の中高年を切り捨てて、有望な若手を確保したいという姥捨て山のような施策が取られ始めています。

中高年社員が個人としてできることは、時代の流れを受け入れつつ、ITなどの変化にかじりついていくしかありません。

政府にはなんとしても早くデフレから脱却を目指してもらいたいものです。

若者の給与を上げると中高年の給与が下がるというようなシーソーゲームを行う必要はなくなるからです。ただ単に、若者の給与を上げればいいだけの話となるのです。

それにしても現状を見渡す限り明るい兆しは見いだせないのが現実です。

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