レバノン政府デフォルト。日本よりもGDP対債務負担は軽いのに・・・

カルロス・ゴーンが逃亡したことで一躍知名度がアップしたレバノンですが、さらにデフォルトを起こすはめになり、またまた有名になってしまいました。
レバノンのデフォルト
レバノン政府の首相は近く償還期限を迎えることになる12億米ドルの債務について、その返済を延期すると発表しました。
いわゆるデフォルト(債務不履行)でございます。長引く経済の低迷と財政赤字がその引き金を引くことになりました。
ちなみにレバノンがデフォルトに陥るのは今回が初めてです。
レバノン政府の債務が増加した要因
レバノンは内戦が1990年まで続き、その復興のために多額の資金を外国から借り入れることになりました。
復興を果たしていく中で、公的部門が肥大化して財政赤字が増加していきます。
それでもなんとか成長を続けて借金を返済してきましたが、2011年からのシリアとの戦争やここ最近の原油安で経済は低空飛行となってしまいました。
2018年の経済成長はわずか0.2%。もはやデフォルトは時間の問題とも思われる中、本来、ドルとの固定相場であるはずのレバノンポンドは地下経済ではここ最近はその半分の価値で取引されていたようです。
レバノン政府の債務対GDP比
レバノン政府の債務は約900億米ドル(約9兆円)。GDPは約560億米ドル(約6兆円弱)で政府債務がGDPに占める割合は約170%ほどになります。
ちなみに日本は約240%などと言われています。この比率だけをとらえれば日本の方が健全性に欠けるとも思えるのですが・・・。
日本とレバノンとの違い
しかし、この比率だけを見ても何の意味もありません。
問題は債務が自国通貨建てか、外貨建てかによります。レバノンの債務は外国通貨建てであり、レバノン政府はもちろん外国通貨を発行できませんから、どこからか外貨を調達してこなければ借金返済ができなくなります。
一方、日本政府の債務は100%円建てです。極論をいえば、どんなに借金をしても円建てである以上、円を発行すれば返済できるわけですからデフォルトするわけがありません。
ましてや近年のマイナス金利政策で、日本の国債の4割以上は日本銀行が保有しています。日本銀行は日本国と一体化していますから、日本銀行が保有する国債(債務)は無いのと同じです。
日本は財政健全化が進んでおり、財政赤字による破綻など起きるはずがありません。
賢人たちはそれを知っているからこそ、円買いに走るし、日本の国債は超低金利であるに違いないのです。そして残された課題はデフレからの脱却と成長軌道への回帰なのです。
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