ネット証券はパチンコ屋稼業から脱却できるのか

インターネット常時接続と株式売買委託手数料の自由化の時期が重なり、ネット証券はパチプロもどきのデイトレーダーなる職業?を生み出しました。
しかし、このひどい相場でまたまたデイトレーダーの戦死が進みそうです。
パチプロもどきのデイトレーダー
杉田水脈議員風に言えば、生産性のない人々ということになるのでしょうか。それでも市場に流動性を生み出すというわずかながらの社会的価値は存在するのではあります。
そして、ほんのごく一部の才能ある人は億万長者になることもできました。時代の波にうまく乗れた幸運な人です。
ネット証券はいわばパチンコ屋
ネット証券はいわばパチンコ屋みたいなものだといったら言い過ぎでしょうね。しかし、金貸して信用取引でどんどん取引させ、金利で稼ぎ、顧客が損しようがお構いなしっていうビジネスモデルですから、当たらずも遠からじでしょう。
パチンコの出玉率じゃなかった、株式売買委託手数料もどんどんと低くなり競争は激化する一方です。正直、ここまでの消耗戦が展開されるとは思いもしませんでした。
株価推移も悲惨です。中でもひどいのはマネックスグループ(8698)。一昨年(2018年)の高値から約5分の1の水準にまで落ち込みました。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインが1日で47%も下落したとか。そしてマネックスグループはグループ内にコインチェックを抱えています。
正直、仮想通貨に将来性はないと思います。通貨としての流動性はないし、それ自体が収益を生み出すわけでもありません。チューリップのほうがまだましです。うまく育てればきれいな花を咲かせてくれるでしょう。
時代を見誤ったとしか言いようがありません。
パチンコ屋いやネット証券の新たなる試み
その反省からかネット証券各社は今後各社各様にかなり違った戦略を取っていく気配です。
マネックス証券を創業した松本大氏はマネックス証券の代表取締役を返上。一転、顧客に投資の助言をする投資顧問会社を設立し、そのトップとなる予定です。
パチンコのうまい打ち方を教えていくビジネスを手掛けていこうというわけなのです。ところがどっこい、そのアドバイスが当てにならない。とても金払ってまで聞くほどの価値があるとは思えません。
楽天証券はネット証券稼業のみならず、独立系の金融アドバイザー(IFA)各社と提携しています。IFAは証券会社に属さず、投資アドバイスをして、売買は証券会社に仲介するという役割です。
いわば、パチンコ屋の呼び込み稼業とたくさん提携して、自らのパチンコ屋に客を呼び込もうって魂胆なのです。胴元になって儲ける。
今まさに問題となっている楽天の送料無料化問題がその社風を見事に物語っているといえそうです。
ネット証券黎明期の雄、松井証券はネット取引が始まった当初は破竹の勢いで大きな利益を稼いでいました。
しかし、古臭いイメージと値下げ競争への乗り遅れ、単調なサービス提供と的外れな新サービス提供の失敗で次々と後発会社に追い抜かれ、その存在感は低下する一方です。
ここに来て顧客層も高齢化しており、もともとの姿であった地場証券へと回帰しているかのようです。成功者が過去の成功にとらわれて没落していく姿の典型例といえるでしょう。
遅ればせながら、サービス拡充、手数料無料化などを打ち出してきていますが、しょせんパチンコ台が新しくなり、出玉が多少多くなる程度。
今後の抜本的な打開策は見えません。
似非パチンコ稼業からどのように脱却して、持続可能なビジネスモデルを構築していくのか?各社頭を悩ませている段階です。
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