日経平均オプション取引の動向が人々の恐怖を示している

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オプション取引を実際に行っている人は少ないだろうと思います。あまりに危険性が高いし(というか単にレバレッジが効いているだけ)、その仕組みや取引手法が複雑で素人にはなかなか手が出せるものではありません。下手な取引をすれば全財産を失うことにもなりかねない大きなリスクもあります。



オプション取引とは何か?


オプション取引(※)というとなにやら意味がわかりにくいですが、保険と考えればわかりやすくなります。

日経平均が上がるリスクに備えるには、日経平均を、例えば18,000円で買う権利を買っておく、あるいは下落リスクに備えるには日経平均を15,000円で売る権利を買っておくといった取引がもっとも単純な取引手法です。

オプション取引の取引手法についてはこちらをご覧ください。

(※)オプション取引

あらかじめ決められた期日に決められた価格(権利行使価格)で日経平均を買い付ける、または売り付ける権利を売買する取引。「売る」権利のことを「プットオプション」、「買う」権利のことを「コールオプション」という。
オプション取引には、以下の基本的な取引方法がある。

コール・オプション(買う権利)の買い
コール・オプション(買う権利)の売り
プット・オプション(売る権利)の買い
プット・オプション(売る権利)の売り


オプション取引による損益の特殊性


オプションの買い方(買った人)は、それが買う権利でも売る権利でも得られる利益は無限大(厳密にはそうではありませんが)です。

一方でオプションの売り方(売った人)の得られる利益は限定されていますが、被る損失可能性の額は無限大です。

では馬鹿らしいから売る人などいないのでは?と思いますが、実際問題、勝率は圧倒的に売り方のほうが高いのです。

だから保険とそっくりなのです。例えば自動車保険をかける場合、払い込む保険料の額は一定ですが、万一、対人事故を起こした場合、無制限で保険金が支払われます。

それでも保険会社が保険を引き受けるのは、事故が起きることは少ないからにほかなりません。

最近のオプション市場の動き


前置きが長くなってしまいましたが、2020年3月19日の日経平均オプション市場でもっとも盛んに取引されているのが、12,000円で日経平均をプットオプション(売る権利)です。

株価の将来に不安が高まっているためにかける日経平均の価格が12,000円とは・・・。

これはある種異常事態です。考えてもみてください。今なら16,000円で売れるものを、12,000円で売る権利を買っている人が多いっていうのですから。

簡単にいえば、日経平均12,000円以下への備えをしている人がたくさんいるということなのです。言い方を変えれば、12,000円以下になれば儲かるオプションを買っているということです。

現状の日経平均のPERは10倍程度と異例の割安感が出ていますが、今後の業績下方修正や業績悪化は織り込んでいません。したがって、まったく当てにならない数値です。

今、株式市場には異様な恐怖が漂っています。

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