ジャパン・ホテル・リート投資法人が予想分配金を未定に

今回のコロナウィルスによるパンデミック。
爆発的流行だけは防ぎ、医療現場の崩壊を防ぐという日本の戦略は今のところ成功しています。非常にうまくやってきたと思います。しかし、日本でも都市封鎖などという言葉が聞かれるようになり、爆発的感染への分水嶺に立たされているのが現在の状況です。
新型コロナウィルスの謎
それにしても今回のコロナウィルスによる感染には不可解なことが多いと感じます。
日本や韓国、旧東ドイツなど過去にBCGワクチンを投与された国民では爆発的な流行となっていないという見方があります。
また、日本ではPCRによる検査が少ないので、感染者は少ないことになっていますが、実は無症状感染者が数多くいるのではないか?とも思えてきます。
現にアイスランドの企業が、自国民1万300人にウイルス検査を実施しており、検査の結果が陽性だった218人の半数はウイルス感染の症状が全く見られなかったことが確認されています。
要するに感染していても発症していない人が数多くおり、発症するかどうかは個々人の免疫力や持っている抗体などに左右されると推測されるのです。
そして、BCGワクチンによって作られた抗体が今回のコロナウィルスに一定の抵抗力があるのでは?とも考えられます。
イギリスでは今後、PCR検査と抗体を持っているかどうか確認できる血液検査を自分でできるキットを国民に配布する模様です。抗体を持っていることがわかれば、ウィルスなど恐れることなく安心して街を歩け、普通に働くこともできます。
ウィルスとの闘いは新たな局面に
それにしても、ここまで世界的に流行するとウィルスとの闘いは長期戦にならざるを得ません。ウィルスはもはや制御不能な状態にまで蔓延しており、都市封鎖で収束するのは困難です。
局地的であればそこさえ抑え込んで、ウィルス自体をこの世から消し去ってしまえばいいのですが、もはや絶対に不可能です。
人々の間に抗体が広がって、ウィルスへの免疫を獲得していくしかない局面に突入しました。持久戦に突入しているのです。ワクチンの開発には1年以上かかりますし、その間は個人個人の免疫に頼るほかありません。
歴史上、パンデミックとしてもっとも有名なスペイン風邪の推移を大まかにまとめると以下のようになります。
第1波:1918年3月にアメリカで最初の流行
第2波:1918年秋にほぼ世界中で流行
第3波:1919年春から秋にかけ世界で流行
第2波:1918年秋にほぼ世界中で流行
第3波:1919年春から秋にかけ世界で流行
これを単純に今回の新型コロナウィルスに当てはめてみれば以下のようになります。
第1波:2020年1月に中国で最初の流行
第2波:2020年秋にほぼ世界中で流行
第3波:2021年春から秋にかけ世界で流行
第2波:2020年秋にほぼ世界中で流行
第3波:2021年春から秋にかけ世界で流行
仮にこのような動きをたどると仮定すれば、今度のパンデミックが収まるのは来年の秋ということになります。
東京オリンピックは1年延期となりましたが、来年開催できるかどうかさえ、危うい状態といわざるをえません。
ホテル型Jリートの現状とこれから
ところで、一時爆発的な下落を見せたJリートですが、その後はなんとか自律反発を見せてくれました。
当面の底は打ったと考えていいと思います。
ホテル型Jリートは特に厳しい局面が続きますが、2年後くらいにはなんとか他のリートと同じレベルくらいには戻るのではないかと想定します。
ジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)は、3月25日に2020年12月期の予想分配金を「未定」に修正しました。その理由を簡単にまとめると以下のようになります。
・政府によるイベント自粛要請、テーマパークの営業中止、渡航制限による旅行・宿泊・宴会需要の大幅な減少
・変動賃料の前年同月比での大幅な減少
・現時点でのコロナウィルスの収益への影響が見積困難であること
・変動賃料の前年同月比での大幅な減少
・現時点でのコロナウィルスの収益への影響が見積困難であること
他のホテル型リートを確認すると、大江戸温泉リート投資法人(3472)は2020年11月期の予想分配金を2,328円から1,961円へと約16%引き下げる旨の発表をしています。
また、いちごホテルリート投資法人(3463)は、3月25日にホテルの運営状況を発表しています。2020年2月のホテル稼働率は地域によって大きく異なるものの、平均すると前年同月比で約17%の減少となっています。3月はさらに悪化すると思われます。
全国約250のホテルが加盟する全日本シティホテル連盟は、夏まで新型コロナの流行が続くと、年内にかなりの数のホテルが倒産すると予測しているそうです。政府にはホテルに限らず企業の資金繰り援助を最大限にお願いしたいところです。
さもなくば、平時であれば生き残れるはずの企業が廃業に追い込まれ、日本経済はますます悪化の一途をたどることになります。
日本、いや世界が正念場を迎えています。今が踏ん張り時。なんとか現代の科学技術でスペイン風邪のようなひどい事態とならないよう収束できることを切に願うばかりなのです。
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