スズキのランチェスター戦略(VWの失敗に学ぶ)

2017年度、スズキ(7269)の業績が好調です。スズキが好調な業績を叩き出している要因は何なのでしょうか?
2017年度の生産台数
2017年度の世界生産は2016年度に比べ、9%増の333万台となっています。
中でも特筆すべきはインド市場における競争力です。インドの乗用車市場でのスズキのシェアは5割にのぼります。また、その隣国パキスタンにおいても同様です。
株価も好調で、トヨタやホンダに比べても相対的に好パフォーマンスを維持しています。
弱者が取るべきランチェスター戦略
ところで、ランチェスター戦略をご存知のかたも多いかとは思いますが、シンプルに言えば、弱者が強者に対抗するには、とにかく一点集中型の戦略を取るというものです。
スズキが意識的にランチェスター戦略を行っているかはわかりませんが、二つの意味で見事にランチェスター戦略が成功しているといえます。
一つは、小型車への特化です。フルラインアップを目指さず、小型車に経営資源を集中し、無駄な労力を省いています。
もう一つは、市場の特化です。前述のとおり、海外市場でも、とりわけインドに経営資源を集中し、成功しています。
フォルクス・ワーゲンの失敗に学ぶ
昔、フォルクス・ワーゲンが中国市場の先駆けとなりましたが、投入した車種は一昔前のものでした。
中国の市場ならばこの程度で良かろうと舐めてしまったのでしょう。モデルチェンジも満足に行わなかったため、徐々に他社にシェアを奪われていきました。そしていまや中国は世界一の自動車市場です。
台数ベースでアメリカの2倍近くであり、日本の約6倍の巨大市場に成長しました。
スズキはフォルクス・ワーゲンの轍を踏まぬよう、最新の車種を惜しみなくインド市場に投入しています。トヨタとも提携し、インド市場の成長と成熟に合わせて、徐々に大型車も投入していくことになるのでしょう。
いずれにせよ、インド経済の今後の発展は続きますので、それに合わせた成長を続けることができるかが今後のポイントとなりそうです。
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