「遠交近攻」。中国の軍事、外交戦略を最も端的に表す

中華思想なる言葉があります。中国こそが世界の文化や政治の中心であり、他の諸国や民族よりも優越しているという意識や思想のことを表現しています。
いささかカチンとくる言葉ですが、中国の行動原理は中華思想に基づいたものです。
そして中華思想に基づき、その勢力拡大のために取られている外交戦略が「遠交近攻」なのです。
たぶんに個人的な見解ですが、「遠交近攻」という言葉には中国の軍事的、経済的、外交的戦略が凝縮していると考えます。言いえて妙なのです。まさに中国は「遠交近攻」を実践していると感じるのです。
「近攻」の象徴、台湾
近くは攻める。手が届く距離であれば手っ取り早く奪い取ってしまうのが一番の近道です。
これを実践し、手中に収めたのがチベット、ウイグル、内モンゴルといった地域です。
そして次なる野望は当然台湾となります。それは2019年1月の習近平国家主席の演説からも明らかです。
平和統一を目指すのが基本だとしたうえで、外部(当然アメリカを意図する)の干渉や台湾独立勢力に対して武力行使を放棄しないと演説をぶちました。
また、台湾は中国の一部であり、いかなる勢力も変えることはできないとも主張し、野心むき出しの発言をしています。
当然、台湾国民は猛反発。香港デモの暴力的制圧を見て、改めて中国へ組み込まれることへの恐怖と反発から蔡英文さんが選挙に勝ったことは記憶に新しいところです。
日本も近いから例外にあらず
尖閣諸島はもちろんのこと、台湾の北東に位置する沖縄県も中国に狙われていることは周知の事実です。もともと中国の一部であるかのごとき言動も見られ、在日米軍がなければ中国に取られてしまってもおかしくありません。
また、北海道も露骨に狙われています。土地は買い漁る、人は送り込むで、北海道の中国化を目指しているのは明らかです。
台湾、沖縄、北海道が中国に取られるようなことになれば本州、九州、四国は挟み撃ち状態に陥ります。戦争において挟み撃ちにされたらどうなるかは容易に想像できるところです。中国の狙いは挟み撃ちにあると考えます。
「遠交」の実践地はどこか
近くは攻めるのが手っ取り早い。しかし、遠くはなかなか攻めるわけにはいきません。なにしろ距離があるし、間に他国もあります。
そこで交易で儲けていこうというのが、中国の戦略だと思います。それを具現化しようというのが一帯一路構想なのです。
それにしても「遠交」というよりも援助交際の「援交」というのがふさわしい。
貿易で稼いだ札びらでほっぺを叩いて仲良くして、中国企業や中国の労働者がその国に入っていくのです。お金を貸してインフラ整備を中国が請け負う。そして借金が返せないならばそのインフラの使用権を奪い取ってしまうのです。
アフリカ諸国やヨーロッパの一部の国がまさに取り込まれています。今回の新型コロナウィルスが爆発的に蔓延した国はそういった国の一部なのです。
近攻で勢力圏が拡大すれば、今まで遠かった国も近くなり「遠交」から「近攻」へと戦術を変更します。手のひら返しで、札びら外交ではなく、軍事外交に一変するというわけです。
近隣諸国には軍事力に基づいた圧力外交、遠くの国とは経済力を駆使した微笑み外交。非常にわかりやすい中国の外交戦略なのです。騙されてはなりません。
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