ブキャナンの財政思想に毒された日本

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新型コロナウィルスで経済機能が麻痺状態に陥っています。民間は委縮し、消費や設備投資の落ち込みは凄惨を極めています。

なにしろ2020年4~6月期のGDPは年率換算で25%のマイナスとなるという予想もあります。



あまりに脆弱な政府の経済対策


このような状況では政府が最後の消費者となって、大規模な財政支出を行うしかありませんが、安倍首相が発表した108兆円はまやかしで、GDPに直接働きかける新規国債発行による真水はわずかに16兆円あまり。

日本の経済規模から考えれば瞬間蒸発するほどの低水準です。日本はなぜここまで財政赤字を悪者扱いするようになったのでしょうか。

財政赤字=悪の構図はどこから?


その一つの根拠がノーベル経済学賞を受賞した経済学者、ジェームズ・ブキャナン(※)が展開した財政経済思想です。

ブキャナンの財政思想では、民主主義社会にあっては政治家は人気取りのために財政拡大に走りがちであり、結果的に財政赤字は膨らむ一方となるという主張がなされます。

そのため、政府は大衆の欲求に応じることなく、厳しい財政規律でもって国家運営を図るべきだというのがその考え方の根本となります。

簡単にいえば、大衆のバカげた要求に応えていたら国家が破綻するから、そんなものは無視して真のエリートが国を正しい方向へ導くのだという選民思想なのです。

(※)ジェームズ・ブキャナン(1919年~2013年)
アメリカの経済学者であり、財政学者でもある。財政赤字の政治経済思想を広め、1986年にノーベル経済学賞を受賞。ブキャナンの理論はその後の世界経済に大きな影響を与えた。


ブキャナンの財政思想の広がり


この思想は日本のみならず、欧米各国にも広がることとなりました。なにしろ、ケインズ主義に基づく経済運営が行き詰りを見せており、その脱却を図る必要に迫られていたからです。

日本ではいまだに国債を増加させると戦争が起こるなどという、わけのわからない論理を述べる人もいます。

戦争を継続するためには国債に頼るしかなかったのは事実ですが、国債を発行すると戦争になるなどということはありえません。

そこまでGHQに洗脳されてしまうのかと驚かされることがままあるのです。

時代に変化の兆候が現れ始める


ここに来て、時代の流れにわずかながら変化の兆候が見て取れます。

自民党の若手議員が中心となって、消費減税、消費税廃止などを求める声が上がってきています。

自由主義からケインズ主義、そして新自由主義が行き詰まりを見せ、再びケインズ経済学が見直されてきています。

今こそ変化のとき。自民党の若手議員には大いに頑張ってもらいたいものです。

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