2020年3月、コロナの影響で自殺者数は増加したのか

stop-adult-suicide-3790894__340.jpg



程度、業種により違いはあれど、新型コロナウイルスの影響で、多くの企業や事業主が売上動向やとりわけ資金繰りに頭を悩ませていることでしょう。

3月以降の強烈な自粛ムードの中、企業の売上は極端に減少しています。そして経営者は常に孤独なものです。

一人資金繰りに頭を悩ませている経営者が世に星の数ほどいるはずです。



2020年3月の自殺者数


警察庁より、2020年3月末現在の自殺者数の速報値が発表されています。

20200416jisatushasuu.jpg
(出所:警察庁)

3月は2月に比べてかなり増加しています。

これは新型コロナウィルスによる影響なのでしょうか?

例年の推移との比較


以下は平成27年(2015年)以降の月別自殺者数の推移を表しています。

20200416jisatusuii.jpg
(出所:厚生労働省)

上記グラフの推移をみると例年、3月は自殺者数が増えています。それにしても2月と3月の違いはかなり大きい。いったいどんな要因が隠されているのでしょうか?

3月に自殺が多い理由


なぜ3月になると自殺が増えるのか。さまざまな要因が考えられます。

・期末のノルマ達成への焦り、強迫
多くの企業の決算は3月です。売上や利益が目標どおり伸びていなければ3月に頑張るしかありません。当然、営業マンに対する圧力は高まり、大きなプレッシャーとストレスを抱え込むこととなります。個人に割り当てられたノルマが達成できなければ・・・。最悪の選択肢を選んでしまう可能性も高まります。

・生活が一変することへの不安
学生であれば、中学生から高校生などに進級したり、親の転勤にともなって引っ越しをしたりと一気に生活環境が変わることが多くなります。今まで仲良く、励ましあっていた友人とも別れなればならなくなるなど不安要素が高まります。
「新しい学校に馴染めるか?」「友達できるのだろうか?」など小さな心は揺れ動きます。周囲に本音で相談できる人がいればよいのですが、そのような人がいないと悩みを一人抱え込むことになってしまいます。子供の自殺に関しては悲しいデータもあり、後述します。また、サラリーマンにとっても異動の時期。悲喜こもごもの時期でもあります。

・生物学的な要因
私は医者でも、生物学者でもないため、その詳細や真偽のほどはわかりません。しかし、一説として、体温が自殺に関係しているという説があります。体温が低くなると自殺が誘発されるというのです。また、冬季うつなどという言葉があるように、冬場は日光を浴びる時間が少なくなります。日光にはうつを防ぐ効果があり、冬はその効果の恩恵を受けにくくなるというわけです。たしかに3月は1年を通して最も自殺が多い月であることが多いのは事実です。

・単に2月よりも日数が多い
身も蓋もないような理由ですが、2月はうるう年であるからして日数が少ない。3月は31日ありますが、2月は通常28日です。単純に考えて、31÷28≒1.11となり、10%ほど自殺者数が単純に増えることとなります。
しかし、1か月が31日であるのは3月に限らず、2月と3月だけとの比較では意味をなしますが、通年で考えれば意味がありません。


昨年(2019年3月)との比較


さて、新型コロナ騒動が急激に拡大した2020年3月の自殺者数は昨年に比べ、どんな状況だったのでしょうか。

2020年3月:1,701名
2019年3月:1,856名

意外ですが、今年のほうが少なくなっています。

これまたいろいろと原因が考えられますが、3月までは企業の資金繰りは何とか持ちこたえていたということ、また学校が休校になっているため、子供に対するストレスが低減されていることなどが考えれられます。

しかし、4月以降は楽観できません。多くの企業の資金繰りはいよいよ行き詰まりつつあり、倒産が増えてきています。また学校も5月から始まるところが多いでしょうから、単に問題が1か月先送りされただけだと考えることができます。

4月以降の自殺者数は社会の動静を見るうえで重要な指針となります。

子どもの自殺は減っていない


ここ数年、自殺者は右肩下がりで減少していました。これは安倍政権発足後に顕著に現れている傾向です。

下のグラフを見てもらえばわかるように全年齢層で自殺率は減少しています。ただし、10歳~19歳の子どもを除いては

20200416jisatukodomo.jpg
(出所:厚生労働省)

失業率と自殺率には明確に正の相関があり、失業率が下がれば自殺率も下がります。しかし、もともと失業とは無関係の子どもにとっては関係がありません。

子どもは社会の姿を映す鏡です。昨今、企業は株主至上主義で利益を追い求め、職場の人間関係はぎくしゃくしたものとなっている所が多いと思います。

そして、その付けが子どもに回ってしまうのです。虐待の連鎖は最終的には弱者に集約されてしまいます。連鎖の終点が子どもになっているのです。

だから子どもの自殺は減らない、むしろ増えているのだと確信するのです。

子どもが自殺するってどんなに追い詰められた心境なのか想像することもできません。悲しみの海でおぼれているのに違いないのです。

2020年、21年は自殺者数が増加するであろう


デフレが今よりも深刻であった2010年近辺では、毎年自殺者数は3万人を突破していました。

その要因を細かく分類したのが下記のグラフです。

20200416jisatuyouinsuii.jpg
(出所:厚生労働省)

今後、経済状況が悪化することは間違いありませんから、2010年のグラフに近づくものと思われます。

緑色が経済的要因を示しており、今よりも約4千人多くなっています。黄色が健康問題ですが、これには精神的病が今より多かったと思われ、元に戻ってしまうと仮定すれば、約6千人多くなることになります。勤務問題は当然デフレに直結していますから約500人多くなる計算です。家庭問題には経済問題がたぶんに含まれますから、こちらでも約1,500人増加すると仮定できます。

リーマンショック後の2010年に逆戻りすると仮定すれば、

4,000+6,000+500+1,500=12,000人

このコロナショックでリーマンショック以上の世界恐慌となれば、ここ2年くらいで本来であれば自殺などする必要がなかった人が20,000人以上自殺するという悲劇が待ち構えていると考えねばなりません。

政府はなんとしてもそんな事態に陥ることのないよう、大規模経済政策、個人への生活補償、企業への資金繰り対策、子どもへのケアを充実させなければなりません。

絶対にやっていただかなれけば困るのです。

【関連記事】
新型コロナ騒動でメンタル疾患が増加する理由
大規模経済対策を行わなければ起こるであろうこと
GDPデフレーターと自殺者数に相関はあるか?
2020年4~6月期GDPは前年比マイナス25%の予想!?
デフレでの給与減少が中高年層を直撃している


にほんブログ村

会社の運命を変える究極の資金繰り [ 菅原由一 ]

価格:1,650円
(2020/4/18 12:43時点)
感想(2件)




関連記事

コメント

非公開コメント