値崩れを防ぎたいマンションデベロッパーと新型コロナとの戦い

マンション



値崩れを防ぐために減産している原油。それでもなかなか上がらない原油価格。

これと似たようなことが新築マンション市場で起こっています。大手マンションデベロッパーはマンションの値崩れ防止に必死なのです。しかし、結局のところ、それは徒労に終わるのではないかというのが個人的見解なのです。



2019年度のマンション市場動向


2019年度の首都圏のマンション販売戸数は前年に比べ2割減少しました。需給関係を考えれば、価格は値下がりするというのが市場経済的考え方ではなかろうかと思います。

ところが不思議なことに、価格は2018年度に比べ2%上昇しているのです。平均価格は約6,000万円超。かなりの高額となっており、高止まりしています。

いったいこれをどう考えたらいいのでしょうか?

マンションデベロッパーの値崩れ防止戦略


デベロッパーも景気が後退し、マンションの売れ行きが悪化することは十分に承知しているのです。事実、販売初月での契約率は6割程度とかなりの低水準であり、急いで買う人は少なくなっています。

売れ行きが悪ければ値下げしてでも販売するのが従来の手法でした。しかし、リーマンショックで業界秩序が変ったのです。

予想外のリーマンショックで資金繰りに窮した中小デベロッパーは値引き販売を推し進め、大手デベロッパーを含めてマンションは値崩れしました。そして、結果的に経営体力に劣る多くの中小デベロッパーが倒産し、業者は約半分に減ってしまいました。

そして、現在は状況が当時とは異なっています。

首都圏のマンション供給は大手の7社で約半分を占めるまでになりました。大手ですから当然、財務的に体力があります。

在庫マンションの売却を急ぐ必要はありません。なにしろ、在庫となっているマンションは土地の仕入れ価格が高く、資材も高く、人件費も高かった時代のものとあって原価が高いのです。

要するにバナナの叩き売りはしたくないのです。そのため、供給を絞って値崩れを防ぎつつ、少しずつさばいているというのが現状です。

想定外の新型コロナウイルスによる環境変化


上記のような大手デベロッパーの戦略が新型コロナウイルスによる経済的、社会的変化により大きな誤算にぶち当たっています。

まずは経済的影響。

コロナ恐慌が起こりつつあり、このような先行き不透明な時期にあえてマンションを買おうなどと考える人はごくまれでしょう。騒動が収まるまで様子を見るという人がほとんどではないでしょうか。

そしてこの騒動は長く続きそうな気配です。デベロッパーの経営体力との持久戦が展開されていきますが、コロナウイルスはなにしろ強敵です。経営体力が続かない可能性は十分にあります。

さらに社会的な変化として、テレワーク(在宅勤務)が突如として広まっていることです。

今まではなるべく都心に近く、また駅から近い物件が圧倒的人気を博してしました。ところが、職場に通う頻度が少なくなれば、職住接近の魅力は低くなります。

多少、郊外でも広くて安い物件に人気が傾いていくことが想定されます。

マンション価格の今後


リーマンショック後の首都圏におけるマンションの平均価格は4,500万円程度でした。

この先、その程度にまで下落することは十分に考えられることです。今後、首都圏の新築マンションは2割から3割程度の値下がりが起こるのではないかというのが個人的予想です。

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