高島屋で投資信託販売?案外いけるかも

日本橋



名門百貨店、高島屋がSBI証券と提携し、投資信託の販売に参入するそうです。今はパンデミックですから、この騒動が収まってからになるとは思いますが。なにしろ高島屋=高齢富裕層のイメージですし、高齢者はコロナにかかるとかなり危険です。

しかし、高島屋で投資信託?

一瞬、戸惑いというか疑問の念が湧いたのですが、案外良いアイデアなのではないかとも思えてきたのです。

それに何しろなんでも揃う百貨店というくらいですから、投資信託を販売してもおかしくはないわけです。最初は奇異な印象を持たれるかもしれませんが。



高島屋とSBI証券の提携


今回の提携は高島屋とSBI証券の思惑が一致して実現したものです。

高島屋の顧客層は高齢者層が多く、若年層の取り込みが課題となっています。一方のSBI証券の顧客の中心は若年層が多く、富裕層である高齢者の取り込みが課題でした。

両社が組むことで、幅広い年齢の顧客層にアプローチができるというわけです。高島屋は子会社の高島屋ファイナンス・パートナーズと通じ、金融商品仲介業の登録をして、SBIグループが提供する投資信託を中心に販売していくことになります。

営業体制やいかに


高島屋は現状、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の発令により、東京の日本橋店、大阪店、横浜店などの旗艦店が食料品売り場を除き、臨時休業しています。

営業再開後、東京、日本橋店に専用カウンターを設けて販売していくことになっています。

高島屋サイドとしては百貨店という安心感を顧客に訴え、金融商品を販売していく意向です。

高島屋ファイナンシャル・パートナーズとは


さて、投資信託の販売を実際に担うこととなる「高島屋ファイナンシャル・パートナーズ」とはどんな会社なのでしょうか。

もともと高島屋クレジットという社名で、クレジットカード事業を主に行っていた会社ですが、2020年に高島屋保険という保険代理店と合併し、現在の高島屋ファイナンシャル・パートナーズに社名変更しています。

現状、金融商品仲介業者としての登録はなされていないようですが、今後登録するということでしょう。

従業員数は約350名程度と比較的大きな会社です。ただ、本業がクレジットカードや貸金業、保険代理店ですので、人的リソースは当初は限定されてくると推測します。

高島屋本体の業況から考察


高島屋の決算期は2月です。従って、新型コロナウイルスの影響は比較的限定されたものとなりました。

とはいえ、2019年10月の消費増税や、2020年1月後半から2月にかけてのインバウンド需要の低下などにより、経常利益は前年比で26%減となっています。

本格的な影響が出るのは2021年2月期です。2020年3月は売上が4割近く減少しており、4月以降はさらに厳しい状況になっているものと推測します。

新型コロナウィルスの収束がいつになるか見当もつかないため、2021年2月期の業績予想は未定としています。

当然、気になるのは資金繰り。高島屋は資金繰り安定のため、すでにCP(コマーシャルペーパー)(※)で300億円を調達済です。

ほかにも取引先銀行から融資枠の設定をしてもらうなど、資金繰り対策には余念がありません。これは高島屋というブランドがなさる技です。多くの零細企業や個人事業主はこうはいきません。

東京商工リサーチの速報を見ればわかります。4月に入り、コロナ関連の倒産が次々と発生しとどまるところを知りません。政府の対策は遅く、その間に多くの企業が酸欠状態で死に至っています。

このような状態が続けば、失業者の増大、求人倍率の低下、自殺者の増加、犯罪の増加などが起こってくることは明らかです。

(※)CP(コマーシャルペーパー)
企業が必要な資金調達のために公開市場で発行する無担保の約束手形。社債の償還期間が通常1年以上なのに対し、コマーシャルペーパーの償還期間は通常1年未満となる。金利水準は企業の信用力により決まる。


SBIは弱者救済の名の下に事業拡大中


それにしても最近目立つのはSBIホールディングスの他(多)業態との提携です。

苦境に陥っている地方銀行に資本参加して業務提携し、SBIグループの商品を売ってもらうという戦術でグループ全体のサービス拡大に走っています。

またSBIと提携する側も、袋小路に陥っているため、救いの手にすがっているという構図で、一応ウィンウィンの関係ではあります。

立場としてはSBI側が圧倒的に強いといえるとは思いますが・・・。

今後のこのような手法でSBIが事業拡大を図っていくことは間違いないと思われ、楽天証券なども負けずに追随しているというのが現在の金融業界の姿であり、メインプレーヤーが変りつつある変革の時代です。

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