ネット証券手詰まり感。クラウドファンディングにまで手を出す

手数料無料化を相次いで発表したかと思えば、新型コロナショックで株価軟調(それでもよくこらえていますが)。
既存のネット証券のビジネスモデルが壁にぶち当たっています。起死回生の新機軸を見出したいところですが、そんな簡単にはいきません。
なんと、クラウドファンディングにまで進出する会社が相次いでいます。いよいよ手が詰まってきたという感がしないでもありません。
auカブコム証券は融資型に参入
一口にクラウドファンディングといっても既存のネット証券にそのようなノウハウがあるはずもありません。
そこで、auカブコム証券は、クラウドファンディングのベンチャー企業を提携し、個人投資家から資金を募って、企業に貸し出す融資型のクラウドファンデングに参入します。
今夏にもauカブコム証券のWEBサイトで投資案件を紹介し、投資を募る方針です。
企業は資金の使途や利回りを提示し、投資家はそれを吟味して判断するというわけです。
これまでの例ですと、運用期間は1年から2年、予定利回りは2%程度となることが多いようです。当然のごとリスクがあり、最悪デフォルトとなる可能性も考えておかねばなりません。
SBIは投資型にも参入
SBIホールディングスは今でも子会社を通じ、融資型のクラウドファンディングを扱っていますが、続いて、株式型のクラウドファンディングにも参入しました。
子会社のSBIキャピタルベースは2019年末にジェムシーというサイトと立ち上げ、未公開株に直接投資する株式型とクラウドファンディングを始めています。2020年3月には90人ほどから3,000万円の資金を集めました。
株式ですから、企業には資金を返還する義務はありません。投資家の目的はIPO(株式新規公開)によるキャピタルゲイン狙い、あるいは他社からのM&Aによる高値買取によるキャビタルゲイン狙いとなります。
IPOもM&Aもできなければ、転売することはまず不可能であり、流動性という面でもかなりのリスクを負うことになります。信用リスクは言うに及ばずです。
他の大手ネット証券の動向
マネックス証券は2019年6月にすでに大手クラウドファンディング業者と提携しています。また、松井証券は不動産投資を募るクラウドファンディング業者と提携し、自社サイトから口座開設を可能としています。
ネット証券の狙いと参入の背景
ネット証券がクラウドファンディングにまで参入するのは繰り返しになりますが、既存の事業がどん詰まりを見せつつあるからです。
なにか新しい収益源を求めなければ、先細りしていくことは目に見えているからです。
また、クラウドファンディングに対する情報開示が厳しくなってきた面もあるでしょう。悪徳業者が虚偽の資金使途を謳ってお金を集めることはできにくい環境となったことも参入のきっかけとなったと思います。
それにしてもクラウドファンディング事業で、今までの手数料を補えるとはとても思えず、焼石に水といった印象はぬぐえないのであります。
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