新型コロナ、真の恐怖は今秋(2020年)から来冬(2021年)ではないか

学校の再開を9月にしようという案が出ています。あと4か月も・・・。
子どもはその間まともに勉強もできず、ただただ体が大きくなるばかりです。いったい何を根拠に9月なのか。海外の入学時期にそろえるとか理屈があるのでしょうがどうも腑に落ちません。
むしろ9月から再開するのは嵐の中に突っ込んでいくような気がするのですが・・・。暖かくなって換気もしやすくなる5月から徐々に再開し、第二波に備えるのが得策のように思えてなりません。
ところで、ウイルス感染の恐さはそれが指数関数的な倍々ゲームで感染者数が増えていくことです。そしてその恐怖は残念ながら欧米各国で現実のものとなりました。
日本は感染者、死者数ともに増えているとはいえ、欧米諸国の比ではなく、一部を除き医療崩壊を起こす手前でなんとか踏みとどまっています。
新型コロナウイルスの今後(私見)
新型コロナウイルスは熱帯諸国でも感染者が出ているとはいえ、やはり暖かく、湿度が高くなれば流行もいったんは収まってくるはずです。
今回、新型コロナウイルスの本格的感染が始まったのは2020年3月に入ってから。夏まではあと2か月あまりです。2か月辛抱すればいったんは落ち着きを取り戻すのではないかと期待します。
問題は今年の秋からだと思うのです。ウイルスは夏でも数少ない感染者の体内で温存されることになるでしょう。 そして、再び寒く乾燥した秋がやってくると感染者が増えてしまうと考えるのが普通ではないでしょうか。
インフルエンザを例にとって考える
インフルエンザを例にとれば、感染が爆発的に増加してくるのが10月後半から11月上旬であるのが一般的です。
以下は少々古いデータですが、週別のインフルエンザの発生状況を示しています。年によって多少変わるでしょうが、大きく変わることはないはずです。

(出所:社会実情データ図録)
となると、暖かい夏がくるまで7か月もあるのです。7か月間もの長期間にわたり、指数関数的な感染爆発を抑え込むことは可能なのでしょうか。
一度爆発すると今春よりもはるかに長い対応、対策が求められます。
秋が来るまで約半年。その間に有効なワクチンあるいは治療薬が開発され、また大規模生産ができ、皆が接種を受けられればよいのですが現実的ではありません。
専門家の見方を参考にすればワクチンが開発されて広く皆に行きわたるには2年くらいはかかりそうです。となると大多数の人は次の冬もワクチンなしで乗り越えるしかありません。
それまでは富士フィルム富山化学(富士フィルムホールディングス(4901)の子会社)のアビガンなど現存する薬で有効なものを使用していくということになると思います。
スペイン風邪の歴史に学ぶ
スペイン風邪の歴史を紐解いて調べても、いったん収まった流行が年をまたいで再び流行しています。
以下は日本人の長期的な死因別の死亡率を表しています。

(出所:社会実情データ図録)
1918年から19年にかけ肺炎の死亡率(赤線)が突出していますが、これはスペイン風邪の影響によるものです。
いったん死亡率は下がりましたが、再び増加していることが見て取れます。
感想
出口戦略を間違えると感染のみならず、経済的にも大打撃をくらいます。適切な対応ができなければ生物学的な死のみならず、経済的な死を多数生み出すことになってしまいます。
明るい兆しがないわけではありません。イギリスのオックスフォード大学は新型コロナウイルスの感染を抑えるワクチンを早ければ2020年9月にも実用化するとしています。このワクチンは8割の確率で有効であるとのことです。
アメリカの製薬会社、ジョンソンエンドジョンソンは2021年の早い時期にワクチンを提供する見通しを示しています。
日本に目を向ければ、バイオベンチャーのアンジェス(東証マザーズ 4563)も2021年の早い時期にワクチンを使用できるよう臨床試験9月から8月にを前倒しすることとしています。
それでも人口分のワクチンを作るにはかなり時間がかかります。ワクチンを巡って、醜い争いが起こることは想像に難くありません。
新型コロナウイルス騒動はこれからもしばらくは続きそうな気配です。そしてその間、人類はウイルスと共存していくしかありません。
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