Jリートにも家賃減額要請が。今後の動静は?

こんなことをいうと罰当たりですが、新型コロナウイルス騒動が世界的広がりを見せたことは日本経済にとっては救いとなった面もあります。
もし、日本のみでの惨禍であったなら?と考えると空恐ろしくなってくるのです。
被害は自腹で、自己責任でという冷酷
思い出されるのは東日本大震災。時の政権はかの悪名高い民主党政権でした。
なんとあれだけ莫大な死傷者数の発生と街の壊滅、またそれに追い討ちをかけた原発事故で大被害を出したのに、やってくれたのはなんと増税。復興特別所得税なるものをこしらえて被災者からも税金巻き上げるという、もはや人道的にも許されざる暴挙に打って出ました。
あれから9年以上経ったというのに野田元総理はいまだに財政赤字を心配しているようであり、滑稽というほかありません。
自民党になって、いったん路線変更かと思いきや、実はその路線は変わっておりませんでした。残念・・・。
もしも、日本だけの災禍だったなら、コロナ特別消費税で12%に増税して雇用を守るなどとやりかねないのが今の日本の現状です。国民見捨てて財政赤字縮減・・・。
今回は世界的に大規模な財政出動がなされるために日本も渋々ついていくといったのが現実のところ。そうでなければアベノマスクすら送られなかったと想像します。(まーだ送られてませんが)
結局10万円配られることになりましたが、これも最初は1万2千円スタート。一気に30万円に跳ね上がったと思いきや、該当者はごく一部でものすごい手続き量。大批判を浴びつつ公明党にせっつかれ、ようやく実現といった有様なのです。
日銀の国債無制限買い取りも結局のところアメリカ追随とも思われ、ある種隷属外交が首尾一貫していると尊敬するところです。もちろん日銀の政策は大歓迎なのです、念のため。
家賃の減額交渉が至るところで
経済評論家の上念司さんの談によれば、テナント家賃の減額交渉が至るところで始まっている模様です。
そこに突如出てきたのがJリートの話。
どうやら上念さんは事業を経営しており、その中にテナントとしてJリートが保有する物件に入居しているようなのです。
減額交渉はにべもなく断られたそうで、相当お怒りになっておりました。恨み骨髄といった感で退居する覚悟のようです。
もっともJリート側としても自己資金で不動産を保有しているのではなく、投資主から負託された資金で不動産を買い、貸しているのですから投資主の意向を無視して勝手に減額や猶予をするわけにもいかないのでしょう。
投資主への説明責任が発生するからです。
しかし、社会的に家賃の猶予や減額などが広く行われれば、Jリートは社会的に孤立してしまいます。テナント側は冷たすぎると言って怒り、移転するケースも出てくるはずです。
こんな時期に新たなテナントが見つかるはずもなく、相応の対応をせねば家賃0が継続するというリスクもあります。また、テレワークの進展でオフィス需要は今後減退するでしょう。Jリート運営側としては頭を抱える話です。
投資主としても間接的にジレンマを感じざるを得ません。
家賃支援案が野党から示される
ところでびっくりしたのは野党が超珍しく存在価値を示してくれたことです。
野党5党(立憲民主、国民民主、共産、社民、日本維新の会)が新型コロナウイルス被害による家賃支援法案を国会へ提出しました。
同案のポイントは以下のとおりです。
・家賃支払いを1年間猶予し、その間日本政策金融公庫が家賃を肩代わりして払う
・家賃を減免した不動産所有者には減額分の一部を国が補助する
・経済情勢を踏まえたうえで猶予期間の延長や日本政策金融公庫の債権放棄をも想定している
・家賃を減免した不動産所有者には減額分の一部を国が補助する
・経済情勢を踏まえたうえで猶予期間の延長や日本政策金融公庫の債権放棄をも想定している
というものです。
なかなか踏み込んだ案です。とりわけ債権放棄まで念頭に入れているところは気合が入っています。
自民党も家賃支援を検討
当然、与党自民党も野党に負けじと家賃支援を表明しました。
自民党案は、テナントが金融機関から借りた資金の返済について、家賃など固定費分を国が負担するというものです。
家賃支援については与野党が協力できる分野であると、先日の朝まで生テレビなどでも自民党議員と野党議員が話をしていました。
与野党案の良いところを取り入れて、足の引っ張り合いをせずに早急な対応を求めたいものです。欧米各国はすでに家賃支援に関して方向を定めています。
これまでの日本は家賃の減額や支払猶予を要請するのみであり、より手厚い各国の対応を横目に見た後追いの感もぬぐえません。
しかし、やらないよりやったほうが良いに決まっています。この間にも倒産、廃業がいたるところで発生しているのですから。
Jリート保有者としても野党案が採用されれば実害は小さくなると思います。今後の動静に期待したいところです。
それにしても危機感がないのは新聞などの大手メディア。未だに増税やむなしといった論調の記事が目立ちます。憶測ですが、コロナ騒動が収束すれば増税路線に戻りたい財務省の意向を忖度しているとしか思えません。
なにしろ新聞はなぜか軽減税率を適用されていますし、テレビ局は安い電波使用料で電波を独占しています。
マスメディアはお互いのメリットのために財務省などのプロパガンダを垂れ流す広報機関として利用されている側面が非常に大きいと思います。
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