意味もわからずMMTを誹謗する輩は確実に存在する

オフィス



本屋さんに立ち寄り、本をいろいろと眺めていると、先日読んだ本の著者(副島隆彦氏)の新たな本が並んでいたのです。

以前読んだ本の印象は悪かったのですが、唯一、金の価格高騰を当てていたのでそれなりに注目はしていました。まあ偶然だろうとは思いますが。



意味もわからずMMT批判


本の名前は『経済学という人類を不幸にした学問』。書名はなかなかのものであり、実際そういった一面もあろうかと手に取ってみて目次をペラペラを見てみました。

また、前回読んだ本で現代貨幣理論(MMT)をこきおろしていたので、今回の本でも何かしらの記述があることが容易に推測できたからです。(たしかお子様ランチとか書いていたはず・・・)

やはりありました。ページ数はわずか数ぺ―ジですが。そして、その内容はまったく理論を理解していない滅茶苦茶な誹謗嘲笑でした。

立ち読みでしたので、細かな部分までは覚えていませんが、無理解のポイントとして2点挙げられます。

・MMTは毎月10万円を国民に配るといっているような理論であること

・MMTは国債を無尽蔵に発行し続けるという暴論であること

こんなことを書いているのです。私の理解ではMMTはそんなことを言っておりません。

なお、10万円を配るというのは現在巷を騒がせている新型コロナウイルスとは全く関係のない話です。

批判に関する考察


1点めはMMTが注目を浴びる前から言われているベーシック・インカムのことを指しているのだと思います。MMTによるところのジョブ・ギャランティー・プログラム(JGP)のことではないかと思います。この違いもわかっていらっしゃらないようですから救われない。

またMMTによれば、経済政策はインフレ率を目安として行われるべきことを主張していると理解しています。よって、インフレ時とデフレ時では取られる政策はまったく変わってきます。

過剰なインフレが進めば、国債発行は抑制しなければならないし、金利も上げる必要があります。失業者も減っているでしょうから、JGPの発動はごくわずかとなるはずです。

インフレ抑制のためには規制緩和を行って、競争環境を厳しくし、生産性を向上させて、モノを行きわたらせる必要があります。税金は増税し、消費者の購買力を引き下げる必要もでてきます。

新型コロナ騒動でのマスク不足、マスクインフレ、マスクバブルが典型です。さまざまな企業がマスク製造に参入することで異様に高くなった(そもそも売ってない状態でもあった)価格を引き下げることができます。

反対にデフレが進めば、国債をどんどん発行して政府が需要を作り出し、需給ギャップを埋めていく必要があります。税金は減税して、消費者の可処分所得を多くして消費を増やすことも必要です。

また金利を下げて、住宅などの購買意欲を向上させるととも、企業の設備投資を促進させなければなりません。

氏の2点めの指摘は現状デフレから脱却できないために取るべき政策を、インフレでもデフレでもお構いなく行われるかのように理解しているようであり、完全にピント外れです。

現状の日本に対する処方箋


今の日本がまさにこの状態です。コロナ騒動がそれに拍車をかけました。

政府はどんどん財政支出を拡大して縮み込む民間需要を補い、減税により可処分所得を増やす必要があります。

すると出てくるのが「財政破綻論」。しかし、この財政破綻論がいかに矛盾したおかしな理論であることは財政破綻をあおる財務省自らが証明してくれています。

(関連記事:財務省が日本国債の安全性にお墨付き!!

注目すべきは、黒田日銀総裁が当時財務官僚であったときに、黒田財務官名義で日本の国債がデフォルトすることなど考えられないと主張している点です。

最近は、財政破綻論がいかにおかしな主張であることか、そしてそれによって日本がデフレから脱却できず、経済的にどんどん弱くなってきていることが広く知れ渡るようになってきたことは多少の救いではあります。

ただし、未だ財務省の影響を色濃く受ける新聞やテレビなどは財務省の広報機関と化していますので、その情報はまったく当てになりません。

ペラペラに薄っぺらく、しかも間違った知識をしたり顔でテレビで語る池上彰氏などはその典型なのでしょう。それに、なるほど顔でうなづく芸能人。まるで通販番組を見ているかのようです。「安い~」

2020年5月2日、テレビ朝日で放送された池上氏の番組のテロップには「国の借金は国民が払うことになる」というトンデモない嘘が喧伝されていたようです。正しくは「政府の借金は政府が払うことになる」です。言い換えれば「政府の借金は国民が返してもらうことになる」です。ていうか国民に勝手に借金背負わせるなと言いたい。

どうやら池上氏は政府と国民の区別もつかないようです。間違った情報を公共の電波で恥も外聞のなく垂れ流すのですからあきれ果てるばかり。

2位じゃダメなんですか議員と同レベルの経済音痴であることを自らさらけ出しています。池上氏のレベルはしょせんその程度。誰かが言っていることをそのままシンプルにして横流ししているだけのようです。

個人的見解


新型コロナ騒動は悲惨で厳しいものですが、これを機にいかに財政破綻論がおかしな理論であることがますます一般化することを期待します。

そして、副島氏。仮にも本を出すくらいならもう少し勉強してからにしてもらいたい。MMTによればデフレ時とインフレ時で取られるべき政策が違うことは明らかなのに、デフレ時のことしか言っていないのです、しかも極論。MMTがお子様ランチなら、彼の主張はさしずめ粉ミルクといったところです。

他人事ながら、まともな知識もない(あったとしたら悪辣すぎる)のに批判するのは恥をかくだけだからやめたほうがいいと思う今日この頃です。

【関連記事】
IMFが消費増税を求める内政干渉。さてその裏は・・・
日本が陥っている経済的罠「リカーディアン均衡」
立場変われば言うこと変わる。財務省の見事なまでの二枚舌
『財務省が日本を滅ぼす』(医療自由化のなれの果て)
やはり報道されない新聞の消費税軽減税率
MMTの提唱者来日第二弾。ビル・ミッチェル教授
新自由主義(市場原理主義)がもたらす社会は・・・
MMTの伝道師、ステファニー・ケルトン教授対談の字幕版がわかりやすい


にほんブログ村

まだMMTを知らない貧困大国日本 新しい『学問のすゝめ』 [ 小浜逸郎 ]

価格:1,650円
(2020/5/4 08:19時点)




関連記事

コメント

非公開コメント