分配金が一気に98%減。ホテル型リートあく抜けなるか?

ホテル



それにしても驚かされたのであります。ホテル型Jリートの一つ、インヴィンシブル投資法人 (8963)が一昨日(2020年5月11日)、6月期分配金を前期から98%減の30円にすると発表したのですから。

株といささか趣が違って、リートは分配金こそが投資意欲の源泉となるものなのですが・・・。



Jリート市場の現状


一時は総悲観に覆われ、どうなることかと不安に包まれたJリート市場も落ち着きを取り戻しつつあります。5月11日には東証リート指数が24ポイント上昇し、1,680ポイントまで戻しました。

市場は緊急事態宣言の解除を織り込みつつあり、下落幅の半値戻しまであと一歩まで迫っています。正直こんなに早く戻るとは思いませんでした。

とりわけ買われたのはひどく下げていた商業施設型とホテル型のJリートです。街に人出が戻り、移動の制限もなくなれば消費や観光、出張などによる支出がコロナ騒動前に戻っていくことを想定した上げでした。

そう、明るい兆しが差し込んできたのです。

とんだ冷や水発表が・・・


そこにとんだ冷や水を浴びせる格好となったのが、引け後に発表されたインヴィンシブル投資法人の予想分配金の修正に関する発表です。

2020年6月期の予想分配金を未定からなんと30円に修正(2019年12月期は1,725円)。2020年12月期に関しては未定としています。

2020年12月期の分配金も30円と仮定すると予想分配金利回りはわずか0.3%程度・・・。急転直下で利回り最下位グループへの仲間入りです。しかもダントツ最下位かも・・・。

発表内容のポイント


以下は発表された内容のポイントです。

現時点においては、新型コロナウイルスの今後の拡大やこれに対する政府及び地方自治体の対応策、緊急事態宣言の終了時期、経済への影響、ホテル業界への影響を見積もることは引き続き困難であり、2020年12月期の分配金の予想は引き続き未定とするとともに、2020年6月期の予想についても今後さらなる状況の変更により予想の再修正の必要が生じた場合には、速やかにお知らせする。

主要テナントであるマイステイズ・ホテル・マネジメント及びその関連会社(MHMグループ)から、賃料の支払免除、経費負担の変更その他の条件変更を強く要請された。 そのため、本日付のプレスリリースで公表したとおり、MHMグループが運営する国内ホテルに係る覚書を締結することを決定した。本覚書の締結により、2020年6月期は、ホテルポートフォリオにおける賃貸事業収入の大幅な減少及び賃貸事業費用の大幅な増加が見込まれる。

当期における国内ホテルポートフォリオ(75物件)のNOI(※)は前年同期比 92.5%減を、ケイマンホテル2物件のNOIは前年同期比74.5%減を予想している。

(※)NOI
NOI(ネット・オペレーティング・インカム)とは不動産の賃料収入などで得られる収益から、不動産管理運営にかかる費用や空室による損失を引いた純営業収益のことをいい、実質的な収益をあらわす。

過去の物件売却益等により蓄積した利益剰余金127億円の一部を活用して分配金の安定を図ることも検討したが、自己資金は不測の事態に備え手元に残すことが本投資法人及び投資主の長期的な利益に資するものと判断し、利益剰余金の取り崩しによる追加的な分配は実施しないこととする予定。

30円の予想分配金についても修正の可能性について言及していることから無配になる可能性もありそうです。余計なコスト負担を考えればむしろそのほうがよいかも・・・。

もっとも不動産投資法人は、得られた税引前の利益を90%以上分配することで法人税が免除されるので利益が出れば分配金に回さざると得ないといった事情もあると考えられます。

それにしても今は我慢のときです。テナントにはなんとしても生き残ってもらわねばなりません。さもなくば共倒れです。とにかくテナントおよび投資法人の存続について安全を図ることが一番重要だろうと思います。

発表後のホテル型Jリートの値動き


5月11日の発表を受けた、12日のホテル型Jリートの値動きは以下のとおりです。

インヴィンシブル投資法人(8963)
23,900円 -7,000円(-22.65%)ストップ安

ジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)
39,400円 -2,500円(-5.97%)

星野リゾート・リート投資法人(3287)
383,500円 -20,000円(-4.96%)

いちごホテルリート投資法人(3463)
60,900円 -5,900円(-8.83%)

大江戸温泉リート投資法人(3472)
66,000円 -2,000円(-2.94%)

森トラスト・ホテルリート投資法人(3478)
88,700円 -6,600円(-6.93%)

(参考)東証リート指数
1,644.02 -36.61(-2.18%)

やはり下げがきつい。軒並み東証リート指数の下げを上回っています。

中でもやはり群を抜いたのは、インヴィンシブル投資法人。引けにかけてのストップ安では売り注文がまだまだ残っていそうでなんだか不気味です。

材料出尽くしのあく抜けを期待


しかしながら悪材料はほぼ出尽くしたといっていいのではないでしょうか。心配なのは資金繰りと新型コロナ騒動がいつまで続くか、です。

Jリートも株同様、事前にわかっている悪材料には強いはず。ここから弱気になっても仕方がありません。

いったん行き着くところまで行ってあくを抜いてもらい、V字回復に期待するほかないと希望にすがるのであります。

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