ビットコイン価格堅調。これこそが通貨となりえぬ根拠

暗号資産(一昔前は仮想通貨といわれた)の一つであるビットコインの価格が思いのほか堅調です。いったいどうしてしまったのでしょうか・・・。
ビットコインの価格動向

個人的には、今年あたりには完全にバブル崩壊して、オランダのチューリップ状態になっていると予想しておりましたが見事にその予想は外れました。
2018年初頭に200万円近くの天井となり、1年後には約40万円ほど。ここからさらに下落していくかと思えばさにあらず。
2019年半ば以降、再び100万円を超えてきました。途中、いったん下げたものの新型コロナ騒動勃発後、再び上昇に転じ2020年5月現在も100万円あたりをウロウロしています。
ビットコイン堅調の理由
ビットコインの堅調にはいくつかの要因があります。
まずは世界的な金融緩和です。金利が低下してお金がだぶつき、そのお金がビットコインにも回っていると考えられます。
それに輪をかけての新型コロナ騒動。各国が大量に資金を供給していることから、相対的にビットコインの価値が上がったのだろうと思います。
また、もう一つの要因として、ビットコインの採掘量が減ったことです。2020年5月12日に、ビットコインを採掘すると得られるビットコインでの報酬が半分に減りました。
報酬が半分となる半減期が到来したのは今回が3回目であり、当初からは8分の1にまで減少したことになります。
報酬(供給)が減り、ビットコインの希少性が上がるため価格が上がるというのが2つめの要因です。
暗号資産(仮想通貨)の決定的弱点
しかし、仮想通貨という名称が暗号資産へと変わったことからもわかるように、暗号資産は通貨として広く流通するには決定的な弱点があります。
採掘量がどんどん減ってビットコインが希少価値を持って価格が上昇するということは、相対的にモノの価値がどんどん下がるということになります。
このような特性をもつ暗号資産を、実際に通貨としてしまえば人々はビットコインを抱えて消費をしなくなります。
要するにデフレです。待てば待つほど暗号資産の価値が上がり、モノの価値が下がっていくのですから、消費は委縮します。そしてモノの値段はますます下がる、まさにデフレスパイラルなのです。
ビットコインなるものが通貨として流通することになれば、この世はひたすらデフレから逃れられず、人々は貧困化していくことになるでしょう。
暗号資産と金本位性の類似性
これは採掘量が限られる金を裏付け資産とする金本位制が維持できなくなったことと同じ構造です。
人口が増え、経済活動が活発化すれば、それによる支払、受取は無限といっていいほどに増え続けます。
そうなれば供給量が限られる貨幣では世の中が維持できなくなります。デフレに陥らざるを得ない。そこで政府の信用を裏付けとし、経済規模の拡大に合わせて貨幣の量を増やすことができる信用貨幣でなければ経済が回らなくなります。
「ごめんね。金がないから物々交換でお願い。」などといったことになれば経済活動は死滅するでしょう。(ちなみに、古来から物々交換など成立していなかったというのが現代の定説です。)
そして、もし暗号資産を通貨として使おうと思えばそのような事態(経済の破滅)に陥るのは目に見えているのです。
暗号資産は結局のところ、砂上の楼閣というのが個人的見解です。
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