巨大国家、中国が民主化できない理由

天安門



共産党独裁の社会主義国家でありながら、資本主義のいいとこ取りをして発展してきたのが中国です。

かつて、西側諸国は中国も豊かになれば民主的な平和国家になるであろうという希望の下、中国を支援してきましたがその淡い期待は脆くも打ち破られることになりました。

今後、中国がいくら豊かになろうとも、政治システムが民主化されることはあり得ないと考えられます。それには理由があるのです。



中国は多民族国家であるという現実


中国は巨大な他民族国家です。漢民族が中心となりますが、その他にもウイグル族、キルギス族、チベット族、満州族など50を超える少数民族を抱えています。

1949年以降、多数派の漢民族は少数民族を抑圧してきました。今もその姿は変わっていません。

もし中国が民主化されれば、これらの少数民族は言論の自由や政治活動の自由を活用し、中国からの独立を叫ぶようになるでしょう。

中国の人口の約1割しかいない少数民族が国土の6割の面積を占める領域に住んでいます。

もし、彼らがドミノ倒しに独立していけば、中国は国土の半分を失ってしまうことにもなりかねません。そのような事態を中国共産党政府が許すはずがありません。

彼らを抑圧するには共産党一党による独裁政治の維持がなんとしても必要なのです。

隠蔽し続ける必要がある黒歴史


中国には忌まわしい過去の歴史が多々あります。残虐の歴史と言い換えることもできます。

大躍進政策、文化大革命における大量の死者数、チベットの侵略、ウイグル人やキルギス人の弾圧など挙げだせばきりがないほどです。

民主化されて、言論が自由化されれば、これらの黒歴史を国民の多くが知ることとなります。当然、責任追及の手も伸びてくるはずです。

それは中国共産党にとっては都合が悪いのです。言論の自由を弾圧し、過去の黒歴史は隠蔽し続ける必要があるのです。

最近の若者は自国で1989年に起きた天安門事件についても知らないといいます。なぜなら言論統制がなされているからです。

民主化ドミノの失敗


一部の論者は信じていました。民主主義国同士は戦争しない。ソ連も中国も民主化すれば平和国家となっていくと。民主主義のドミノ化による平和主義です。

しかしながら実際にはそうはなりませんでした。一種の幻想です。今後もならないでしょう。今回のコロナ騒動がそれを一層明らかにしてくれたようです。

アメリカはリビアを壊し、イラクを壊し、民主化しようとしましたが、待っていたのは混乱のみでした。そして、アメリカ自身にも国力低下をもたらしたのです。

そして今まさに世界は多極化への道をひた走っています。

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