2020年4月、自殺者数は大幅減少(新型コロナ)

2020年1~3月期のGDP速報値は年率換算で前四半期からマイナス3.4%。ひどい数値とはいえ、本格的悪化は4月以降となります。4~6月期は2桁以上のマイナスは確実・・・。
それにしても事実は小説よりも奇なりです。
人間心理、社会心理というのはなかなか奥が深いというか、予測不能というか・・・。
非常に不可思議な現象がまま起こるのであります。新型コロナ騒動による自粛が自殺者の増加を招くと危惧されていましたが、今のところその危惧は杞憂に終わっています。
2020年4月の自殺者数
新型コロナ騒動により緊急事態宣言が出されたのが4月初旬。企業倒産はにわかに増加し、3月はわずかながら失業率も高くなりました。(2.4%→2.5%)
経済活動に急ブレーキがかかり、企業や個人事業主はその資金繰りに追われることにあいなりました。
とんかつ屋のご主人が油をかぶって亡くなったとか悲しいニュースも聞かれ、4月は自殺者が増加するのではとの見方が多かったと思いますが、むしろ3月に比べて大幅に減っています。

(出所:厚生労働省)
また例年と比較しても大きく減少しています。明らかに大幅な減少です。これは何を意味するのでしょうか?
なにか必ず理由があるはずです。しかし、明確な理由は現状において見出すことはできません。
しかし、いくつかの仮説を立てることは可能でしょう。
(仮説1)政府に対する期待
現政権の批判は多々あれど、批判しやすいだけであって、心の中では実は信頼している人が多い可能性があります。
なんだかんだいっても安倍政権は未だ支持率4割近くを維持しているのですから。歴代政権に比べて失望度は低いといえます。

(出所:社会実情データ図録)
安倍さんならなんとかしてくれるのではないかという淡ーい期待が絶望を遠のけている可能性があります。
それにしても安倍政権前の政権の支持率の急低下ぶりには唖然とします。まるで雪崩・・・。鳩山内閣などは一直線の急降下。まあ、あれじゃあって納得はしますが。
(仮説2)生物的本能
私は生物学者ではないのであくまでも憶測ですが、戦時とも思えるような激変の中で、人間はかえって高揚するのかもしれません。新型コロナ騒動を見届けたいという思いを持つ人も多いことでしょう。
気分が高揚すれば当然の如く自殺者は減少すると思われます。
(仮説3)テレワークによるストレス低減
テレワークで、オフィスに出向くことがなければ苦手な人、嫌いな人に会わなくてもよいという安心感が生まれます。
顔を見るだけで憂鬱になるような上司や同僚もいることでしょう。そんな輩と顔を合わせることがないのですからハッピーな気分にもなろうというもの。自殺なんて衝動は生まれることもなくなります。
(仮説4)これ以上悪くならないという期待
一般庶民は賢明なものです。マスゴミの煽り報道に踊らされる人は確実に減っています。そして、今回のコロナ騒動は大変な事態であるとはいえ、必ずや復活できると考えている人が多いのではないでしょうか。
復活可能であれば、あえて自殺するなどという非合理な行動はとらないはずです。
予想以上に今後の被害は少ないという予想をしている人が多いのだと考えられます。
しかし、楽観は禁物
4月の自殺者数が少なかったからといって、今後を楽観してよいはずはありません。経済への悪影響が顕在化するのはこれからともいえます。
またテレワークからオフィスワークへ戻れば、今までの分を取り戻すべくハードワークに追い込まれる可能性が高く、そうなれば一転、天国から地獄です。
社会が本格的に動き出す6月以降が気がかりです。
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