疑似バフェット指標(2020年5月末)‐不思議な株高

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緊急事態宣言もいったんは引っ込み、よろよろと社会が再び動き出しました。

それにしても新型コロナウイルスが人間社会に与えたショックの大きさには驚かされます。

アメリカでは死者が約10万人。失業率が約15%ととんでもないことになりました。その割に株価は意外なほど堅調。不思議なくらいです。

さて、動乱の5月も終わりました。株価の居所を確認しておこうと思います。



疑似バフェット指標


バフェット指標算出の基準の一つがGDPです。このGDPが新型コロナウイルスの影響で大きく下振れすることは間違いありません。

いったい2020年のGDPはどれくらいになるのか?正確な予測は難しいもののある程度の推測はできます。

別記事に書きましたが、今年はマイナス5~10%成長、GDPは500兆~520兆円くらいになるのではと考えています。指標算出にあたっては楽観シナリオで523兆円と仮定しました。

さて、株価水準はいかほどでしょうか(当指標についてはこちらをご覧ください。)

20200531gijibafe.jpg

明らかに株価は割高水準にまで買われていると思います。このまま上昇を続けるとはとても思えません。どこかでまた調整があるはずです。

株価堅調の要因


それにしても株価がしっかりしているのはどんな要因によるのでしょうか。いくつか考えてみました。

・相対的に被害が少ない
日本も被害を被っているとはいえ、欧米諸国と比べると天と地ほどの差があります。

以下は新型コロナウイルスによる累計死者数の推移です。欧米諸国は万単位の被害者を出していますが、日本は1千人にも満たない被害です。桁が2つ違うのですから驚きです。

20200531corona.png
(出所:社会実情データ図録)

いまだ、その原因は特定されていませんが、とにかく相対的に被害が少ないことは株価にとっても追い風であることは間違いありません。


・アメリカ株との連動
死者数が10万人を超えたアメリカも株はかなり戻しています。日本株は単にアメリカ株に引きずられて上げているという可能性は十分あります。なにしろトランプ大統領は必死でしょう。11月には大統領選を控えているのですから。

早期に失業問題を収束させ、景気をV字回復させないと、ひょっとして落選してしまうかもしれません。救いは民主党有力候補もスキャンダルを抱えたお年寄りであることです。


・大規模経済対策への期待
自民党若手議員を中心に縮小均衡型緊縮財政という誤りから大規模拡大均衡財政への圧力と気運が高まっています。消費増税でただでさえ落ち込んでいた景気にトドメを刺すかのごときコロナウイルス。

このまま放置すればデフレの闇に再び突入することは明らかであることから、財政拡大への肯定感が高まっています。

プライマリーバランス黒字化などという意味のない目標から、物価上昇率を経済政策の指標とし、景気が回復してインフレ目標を達成するまでは、ためらうことなく国債をどんどん発行して財政出動していくという動きがにわかに高まってきています。

これが実現できれば日本がデフレから脱却できるかもしれません。当然株価にとっては追い風となります。


・早期収束への期待
ワクチンの開発競争が激化しています。また、発症時の治療薬の開発も進んでいます。これらが予想以上に早く開発され、実用化されることを株価は読んでいる可能性があります。


まとめ


とはいえ、今の株価はいささか期待先行の感をぬぐえません。

今秋、本格的な第二波が襲ってくれば、二番底を探しにいくことも考えておかねば・・・。

とにかく今の相場についていくような楽観は禁物であると思います。

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