イメージ先行、アメリカのベンチャー企業の実態

冒険



一般的に、アメリカはベンチャー企業が生まれやすく、成功したベンチャー企業が新たな雇用を生み出して、経済成長に結びつけているといったイメージがあるのではないでしょうか。しかし、本当のところは・・・。



アメリカのベンチャー企業の実態


確かにGAFAなどと呼ばれる巨大IT企業はアメリカが生み出した会社ですし、比較的若い会社です。

しかし、そのような会社ばかりに注目が集まるために上記のようなイメージが定着するのですが、その実態はイメージとはかけ離れているのが本当のところです。

今でこそ、コロナウイルスの影響で急ブレーキがかかったとはいえ、アメリカの経済は新興のベンチャー企業に支えられ、株価も堅調であるかのように思われがちなのではないでしょうか。

しかしながら、アメリカでベンチャー企業を起こす人の多くは以下のような人だと言われます。そしてそれは、日本とも似通っているのです。

ベンチャー起業家の人間像


アメリカのベンチャー企業家の多くは以下のような人々です。

・起業の理由の最も大きなものは他の人の下で働きたくないというもの。

・仕事をしばしば変える人、解雇された人、お金があまりない人が起業する傾向が高い。

・スタートアップ企業の資本は経営者の貯蓄から出されているケースが多く、続いては銀行からの融資が多い。ベンチャーキャピタル隆盛であるかのイメージがあるが、ベンチャーキャピタルからの資金はわずか0.03%にすぎない。

・起業するのは若者よりも中年男性が多い。

・スタートアップ企業は雇用をあまり創出しない。雇っているのは一人くらいで、会社の平均寿命は5年くらいである。

アメリカの平均的な起業家像は以下のようなイメージです。

人にこき使われたくないので、起業をするが、急成長を望んでいるわけでもなく、日々の生計をなんとかしたい中年の既婚男性。

夢のなさそうな起業家像ですが、これがアメリカの起業家のほとんどです。日本となんら変わらないといってよさそうです。

ベンチャー企業の労働生産性


このような起業家層が主なのですから、一般的に労働生産性も低いのが普通です。

ベンチャー企業の隆盛がアメリカ経済を支えているのではなく、景気が良くなると少々お金にゆとりが出るので、起業が増えるというのが真実の姿のようです。

夢を持った起業家がアメリカの景気を支えているのではなく、景気が良いので起業が増えるということなのです。

もちろん一部の例外はあるでしょう。そのごく一部の例外がGAFAなのです。

一部の例外がまるで一般的であるかの如く認識されるという典型例がアメリカの起業動向なのでした。

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