日本にシリコンバレーが生まれないのはなぜか

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卵が先か?鶏が先か?あらゆる場面で考えさせられる問題です。

1990年代、アメリカのシリコンバレーでITを活用したハイテクベンチャーが次々と誕生し、世界的企業へと成長していきました。

シリコンバレーに何か特別な要素があったのか?それとも成功したベンチャーがあったから優秀な人が集まってきたのか?

これを知ることで日本にもシリコンバレーが生まれるかどうかを判断することができそうです。



そもそもシリコンバレーってどこにある?


シリコンバレーは、カリフォルニア州北部のサンフランシスコ・ベイエリアの周辺地域となります。(下図赤丸あたり)

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シリコンバレーを拠点とする企業


シリコンバレーを拠点とする主な世界的企業には以下のような会社があります。

アップル
シスコシステムズ
Google(グーグル)
Facebook(フェイスブック)
オラクル
テスラ
アドビシステムズ
インテル

などなどです。

あらためてすごいと感じます。シリコンバレーの企業の株式時価総額だけで日本の全上場企業の時価総額の約2/3くらいを占めます。

ちなみに概算ですが、シリコンバレーの上場企業の時価総額合計は約400兆円。日本全体では約600兆円くらいです。

シリコンバレーがすごいのか、日本がしょぼすぎなのか・・・。

シリコンバレーのもともとの姿


さて、シリコンバレーがここまで発展したのはなぜでしょうか?

優秀で夢のある若者が集まり、まるで大学のようなアカデミックな雰囲気の中で自由闊達な議論と試行錯誤の中で発展したというのが一般的なイメージではないでしょうか。

芝生に囲まれたきれいなオフィスでコーヒーでもすすりながら、ジーンズをはいた若者が頭をひねってアイデアをひねり出していくといったイメージです。

しかし、実際のところ、そのイメージは幻想でした。

シリコンバレーは軍事目的で政府から多大な援助を受けて発展してきたのです。1980年代のシリコンバレーは、ミサイルや衛星、半導体など軍事関連技術産業の集積地でした。

シリコンバレー発展の呼び水


シリコンバレーが現在の発展を遂げるのに間接的な影響を与えたのは日本です。

1980年代、日本の半導体は世界を席巻し、シリコンバレーの半導体企業も苦境に立たされます。

国家安全保障の根幹を揺るがす軍事産業の衰退をアメリカが見過ごすわけがありません。アメリカ政府は強力な支援をシリコンバレーの軍事関連企業に行うこととなりました。

そして、その支援のおかげで見事に半導体産業は復活し、それが民生品にも波及して、現在のシリコンバレーにつながっているというわけなのです。

まとめ


民間産業は軍事技術と切っても切れない関係にあります。軍事技術が民間に転用されることもあれば、その逆もあります。

シリコンバレーも例外ではありませんでした。

シリコンバレーの姿は、中国のファーウェイの姿を彷彿とさせます。ファーウェイは中国の軍人が起こした企業であり、まさに軍産複合体ともいえる企業です。

一方、日本に目を転じると・・・。各種防衛兵器を輸入に頼る日本にはシリコンバレーは生まれるわけがありません。

基盤となる軍事技術産業がほとんどないのですから。

日本から世界のプラットフォームになりうるIT企業が生まれないことは偶然ではなく必然なのです。

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