株価は経済を映す鏡なのか、単なる金融商品か?

一般的に株価は経済を映す鏡だと言われます。
しかし、その一方で株価と実態経済は別物であり、株価が上がっても株主が儲かるだけであり、株主以外には関係がないという意見もあります。
いったいどちらが正しいのでしょうか。
日本とアメリカのGDPと株価の動向から検証してみたいと思います。
実質GDPの推移
下図は1980年以降の日米の名目GDP(ドルベース)の推移を示しています。

(出所:世界経済のネタ帳)
1995年あたりまでは日米ともに成長を続けてきましたが、1997年から日本のデフレ化政策(緊縮財政路線)で日本はぴたっと成長が止まりました。
いわゆる失われた20年です。
この間、経済は停滞して就職氷河期に入り、非正規雇用が爆発的に増大、自殺者も急増しました。悪夢の20年です。そして、そのトンネルから未だに抜け出せていません。
それなのにいまだ増税路線を変えていない政府には失望するばかり。政策を間違えたのなら変更すれば良いだけなのに一部例外を除いて間違えたことを認めようともしないのですから、その罪は重い。
A級戦犯は財政破綻論というデマを飛ばす緊縮財政論者、B級戦犯はデフレは単なる貨幣現象であるとタカをくくったリフレ派経済論者です。
アメリカの株価推移

(出所:世界経済のネタ帳)
経済成長に歩調を合わせて順調に株価は上昇を続けてきました。もちろん、短期的にはブラックマンデーやらリーマンショックやらの波乱はありましたが。
NYダウが3千ドル台のときにアメリカ株はバブルだと言っていた人(ラビ・バトラ氏)がいましたが、その先見性のなさに驚かされるばかり。経済学者のいい加減さを見事に証明してくれました。
日本の株価推移

(出所:世界経済のネタ帳)
一方の日本ときたら・・・。今もってバブル期であった30年前の約半分の水準です。見事にGDPの停滞を表しています。
1997年以降に日本政府がやってきた政策の数々は的外れなものばかり。デフレを加速させる政策の数々です。
消費増税、規制緩和 etc.
規制緩和しても成長しなければ、規制緩和が足りないとばかりにさらなる規制緩和。
消費増税しても税収増えなければさらなる消費増税。
金融緩和の効果は打ち消され、財政出動はけち臭くなる一方です。これでデフレ脱却しようと叫ぶのですからインチキ極まりない。自民党に取って代われる政党があれば良いのですが、それもなし。
完全に袋小路に陥っています。
結論
経済成長と株価推移には間違いなく相関関係があります。経済成長なくして株価が上がったのならばそれはほどなく調整されるでしょう。いわゆるバブル崩壊です。
逆に経済成長しているのに株価が上がらないのであれば、株は買い時ということです。
短期的には相関が見られなくても長期で見れば相関する、それが経済成長と株価の関係だと確信するのであります。
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