安倍政権の行動原理はいたって単純であった

最近めっきりと支持率が下がってしまった安倍政権。
コアな支持層からも愛想を尽かされつつあり、残る支持層は他に支持する政党もないという消極的支持層のみとなりました。
長らく人々に期待を持たせつつ、しかしその期待に誠意に応えることはなかったわけですからやむを得ません。
また、支持を失った一つの理由は安倍政権の行動原理があからさまとなってきたからです。その行動原理はいたって単純でシンプルなものでした。
アメリカからの圧力
日本はアメリカに国防を依存している以上、アメリカの意向に逆らうことはできません。まして今の大統領は強面のトランプ大統領。下手に逆らえば強烈なお仕置きが待っています。
そして、日に日に中国の軍事的脅威が増す中、アメリカに見捨てられたら日本は終わりなのです。(情けなし)
よってアメリカさまの御命令には素直に従い、国民との約束などそっちのけにされます。
尖閣諸島に公務員を常駐させるという約束もオバマ大統領に叱られて、ハイ終了。その後、まったく動く気配もありません。
諮問会議からのご報告は熱烈歓迎
総理直轄でさまざまな種類の諮問会議などが設けられています。そこには選挙の洗礼を受けていない謎の民間議員などと呼ばれる専門家などが入り込んでいます。
そして、これらの専門家はどこかの組織や企業に所属しており、その組織やらへの利益誘導を図るのです。
首相は専門家の権威に負け、あっさり騙されハイ終了。一丁上がりで新たな利権構造が生まれるのです。そこには国民目線など一切ありません。
専門家ですから法律なども用意周到であり、数の論理であっさり国会をも通過します。
国会議員などいてもいなくても同じって調子なのです。欲しいのは数合わせの票だけ。裏切り者には次の選挙の公認を与えないか、同じ自民党から刺客を送り込んで叩き落とそうとするのです。
そんなことをされてはたまらない議員は犬のように党の決定に従うしかありません。
経済界からの要請には真摯に対応
庶民の要請など知ったこっちゃありませんが、組織票を持つ経済界からの要請には熱心に耳を傾けます。
経済界が中国との関係を悪化させたくないと思えば、新型コロナウイルスが流行っていても中国からの入国を止めません。ようやく止めたのは3月に入ってから。
習近平国家主席の国賓来日の中止が決定された後でした。明らかに中国への忖度です。それはまさに経済界からの要請に基づくものに違いありません。
尖閣諸島の領海侵犯が毎日のように起こっているのにまともに抗議もしないのも同様です。また靖国参拝に行かないのも同じでしょう。
財務省の洗脳には無抵抗
国の予算を一手に握る財務省には国の権限が集中しています。そして財務官僚は東大法学部を出たような秀才ばかり。
論理的思考で国会議員を洗脳することなどお手のものなのです。合わせてマスコミも洗脳していきます。
その目的は増税。
このままだと国家が破綻します的論法を巧みに展開し、緊縮財政路線に沿った政策を展開させていくのが財務省の常套手段なのです。
テレビのキャスターや新聞などはすっかり洗脳が完了しており、財務省の良き広告塔として偏向報道を繰り返し流してくれます。
そして国民もまた騙され続けるという図式なのです。財務省の洗脳システムは上流から下流まできっちり出来上がっており、それを壊すことは並みたいていの力ではできません。
自民党国会議員の意向は汲み取らず無視
国会議員などは首相官邸の圧力でどうにでも抑え込めます。なにしろ今は小選挙区制で自民党公認候補は一人しか出せません。
党議拘束に反しようものなら、次の選挙で公認を与えなければいいだけ。裏切り者は斬って捨てるシステムが出来上がっているために、自民党国会議員は首相官邸に逆らうことができません。
要するに犬にならなければ生きていけないというわけです。
ましてや野党議員の意向なんぞははなから聞く気はございません。
官僚は人事権で首根っこを押さえる
トップクラスの官僚の人事権は首相官邸が握っています。よって、上級官僚は首相官邸に目を付けられないようにその意向に沿った行動をとります。
忖度の度が過ぎて、大事な文書書き変えるわ、シュレッダーかけちゃうわ、という始末なのです。
出世をあきらめた下級官僚はそんなことは馬鹿らしくてやってられませんが、上級官僚や出世を目指す野心家は国民などそっちのけ。上を向いて歩こうなのです。もちろん、涙がこぼれないようにするためではございません。
そして国民は・・・
上記を図に表すと以下のようになります。

国民は・・・。
せっかく選挙で国会議員を選んでも、国会議員のあずかり知らぬ間に政策は天から降ってきます。しかし国会議員は不満を抱えつつも黙りこくるしかありません。
そして国民不在の政策が次々と実行されていきます。安倍首相は利用されるだけ利用され、その結果がどうなるのか知る由もありません。しまったと思っても後の祭り。
しかし、そんなことは日常茶飯事なので慣れたもの。なんとかその場しのぎでやり過ごすのです。得意の話術でなんとかしようってわけなのです。
たまにバラエティ番組などに登場するのも庶民の味方であるという印象を刷り込ませたいという意図が見え見えなので許し難い。お人好しだと騙されてしまいます。
すっかり言いすぎてしまいました。本当は応援しているのですよ(してないけど)。しかし我慢にも限界ってものがあるのが人間なのです。
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